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ギャンブル依存症者の個人情報保護について政府が答弁

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政府は3月20日付けで、衆議院議員の初鹿明博氏による「ギャンブル依存症者の入場制限と個人情報保護の関係に関する質問主意書」に対して答弁した。

質問主意書の中で同氏は、政府や日本中央競馬会がギャンブル等依存症対策の一環としてそれぞれ検討している家族申告による申告対象者の入場制限策について「申告対象者を警備員等が目視で識別することは相当困難で実効性が見込めない」「顔認証機器等を用いる場合、相当の費用が掛かるうえ、一般来場者のプライバシー侵害になりかねない」ことを問題視。

さらにギャンブル依存症に罹患していること自体が究極の個人情報であり、本人の同意もなく、他者に顔写真や名前とともに提供することは個人情報保護の観点からも疑問とした。

これに対する政府の答弁では、家族の申告による入場制限について、具体的な実施方法を現在検討中のため、現時点で「個別の方法の適否を答えるのは困難」とした。また個人情報の保護については、病歴を含む個人情報は“要配慮個人情報”に該当することから、その本人が不当な差別等を受けないよう情報の取り扱いに配慮すべきとした上で、「家族の申告による入場制限の具体的な実施方法は、個人情報保護の観点にも配慮しつつ、検討していきたい」とした。

初鹿議員による質問と政府答弁の内容は下記の通り。

1.家族の申告により申告対象者のカジノ施設又は公営競技上若しくは場外馬券場への入場制限を行う場合、目視で識別することは困難だと考えますが、政府の見解を伺います。

2.顔認証の機器を導入する場合、依存症者以外の一般の来場者のプライバシーを侵害することにつながりかねませんが、政府の見解を伺います。

→1及び2について
政府は、ギャンブル等依存症対策として、「ギャンブル等依存症対策の強化について」(平成29年8月29日ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議決定)において取りまとめた取組を、実施可能なものから順次実行に移してきたところであり、御指摘の家族の申告による入場制限については、その仕組みを今後構築することとしているが、その具体的な実施方法については現在検討中である。このため、現時点で、御指摘のような個別の方法の適否についてお答えすることは困難である。

3.ギャンブル依存症という疾病に罹患しているという情報を本人の同意なく知らせることは、個人情報保護の観点から非常に問題であると考えますが、現行の個人情報保護法制との関係も含めて、政府の見解を伺います。

→3について
御指摘のような病歴を含む個人情報は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第2条第3項、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)第2条第4項及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)第2条第4項に規定する要配慮個人情報に該当し、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものである。一方、ギャンブル等へののめり込みによる被害から利用者本人及びその家族を守るためには、ギャンブル等依存症の診断を受けているような利用者に対してサービスの提供を拒否する仕組みを構築していくことが適切であると考えており、御指摘の家族の申告による入場制限の具体的な実施方法については、個人情報保護の観点にも配慮しつつ、検討して参りたい。

初鹿議員は昭和44年生まれの東京都出身で、現在は立憲民主党に所属。維新の党に所属していた2016年1月には「不正パチンコ台の撤去に関する質問主意書」を提出し、パチンコ業界内でも注目を集めた。

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