規則改正テーマに、遊技機メーカー3社の開発トップが登壇

サミー㈱の星野氏は「パチスロの演出ノウハウをパチンコにも盛り込められるので、パチスロユーザーによるパチンコへの回遊が期待できる」と話す。続けて、㈱藤商事の松下氏は「現段階では試験方法が分からないものの、設定を複数段階設けることで、ホール様の様々な営業形態に合わせた機械作りが可能」と、対ユーザー視点だけでなく、対ホール視点でも設定の搭載にはメリットがあると語った。また設定が何段階になるのかという問いに対しては現状決まっていないと言い、「メーカーだけで決められる問題でもなく、ホール様にヒアリングして決めていきたい」(サミー・星野氏)と述べた。

では、新規則機として出てくるパチンコ機の主流となるスペックはどのようなものになるのか。この点について京楽産業.の井坂氏は「解釈基準が出てきてないのでハッキリとは言いにくいが」と前置きした上で、“小当りRUSH機”を挙げた。「出玉の波を急激なものには出来ないので、小当りRUSHを用いて時間を使いながら出玉を獲得するスペックは増えるのでは」(京楽産業.・井坂氏)と予測した。

㈱藤商事の常務執行役員・開発本部の松下智人本部長

一方のパチスロ機については、パチンコ機に比べてやや悲観的だ。特に現行規則機のスペックとの差が激しいAタイプ機の開発が難しいとされ、そのため、主流となるスペックについては3名とも「A+ARTタイプ」を挙げた。「遊びやすくて、演出の幅が広がったタイプが出て来るのでは」(京楽・井坂氏)、「これまでの機械が、5,000枚を1人のユーザーに出していたとして、新規則機のA+ARTは、1,000枚を4~5人に与えるような機械になるだろう」(サミー・星野氏)と述べた。

また、パチスロ機における射幸性の高低を図る上で指標のひとつとなるコイン単価についてサミー㈱の星野氏は「確実に(現行機に比べて)下がる。どこまで下がるかについてだが、プレイヤーの遊技スタイルによってコイン単価は変動するので、一概には言えない」と語った。ただし、予測されるスペックやコイン単価はあくまで現時点での話であり、今後出てくる解釈基準しだいではより多彩なスペックの機械が開発できる可能性があるとした。

これらパチンコ、パチスロの新規則機だが、ホール導入が始まる時期はいつ頃だろうか。各パネラーが話すには、来年は主に現行規則機の販売に注力するメーカーが多いとしながらも、メーカーによっては、パチンコ、パチスロとも最短で夏頃に出してくると予測。「パチンコの場合、来年2月に保通協へ申請したとして、適合が早くて4月、そこから検定通して、諸々調整すると、最短でも夏ごろではないか」(京楽産業.・井坂氏)、「パチスロは(現行規則との)変更点はそれほど多くはなく、解釈基準や内規がどう変わるかによってスペックの修正が入るだろうが、早くて(新規則施行から)半年程度で出すメーカーがあるのでは」(サミー・星野氏)と見通した。

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