東京都遊協青年部会(髙橋孝幸部会長)は10月11日、都内港区のヤクルトホールで第30回「フォーラム110」を開催。「メーカー開発責任者に聞く!~規則改正後の遊技機のゆくえ」と題し、遊技機メーカー3社の開発責任者を招いたパネルディスカッションを行った。
当日、パネラーとして参加したのは、京楽産業.㈱執行役員・開発本部の井坂正行本部長、サミー㈱代表取締役常務・研究開発統括本部の星野歩本部長、㈱藤商事の常務執行役員・開発本部の松下智人本部長の3名。㈱パチンコビレッジの村岡裕之代表取締役をコーディネーターとして、規則改正後の遊技機動向が語られた。
ディスカッションの冒頭、村岡氏は、大当り最高出玉が現行の2/3程度に抑えられたこと、出玉試験の内容が厳しくなったこと、MNRSの計算式が変更になったこと、パチンコでも設定が付けられるようになったことなど、規則改正のポイントを一通り説明。その上で、まず同氏は規則改正で「最も重要な点は?」と、パネラー3名に問いかけたところ、共通して「出玉試験における上限値、下限値規定の変更」が挙げられた。
「上限値が抑制されたほか、下限値の規制も意外に影響が大きい。1時間試験で33.3%以上の出玉率となっているが、当然、1時間で1回も大当たりが発生しないこともある。そのぶん、一定のベースを確保しなければならない。今まで以上に厳しい出玉試験となる」(京楽産業.・井坂氏)、「社内で適合率も含めたシミュレーションを行ったところ、パチンコもパチスロも実質的に出玉性能は(現行規則の)半減程度で、今後、どうするかメーカーとしても努力していきたい。パチンコは大当り中の出玉スピードが落ちる。パチスロは通常時のベースを大幅に上昇させないと適合し辛い」(藤商事・松下氏)と懸念ポイントを挙げた。
一方でサミー㈱の星野氏は、出玉率の下限値規定は悪いことばかりではないと言い「高いベースが担保されることでユーザーの消費金額が抑えられる。遊びやすくなったことで、スリープユーザーやノンユーザーが来店してくれるのではないかと期待している」と語った。
新規則のパチンコ機について、数少ないポジティブ要素として「設定」の搭載が認められたことが挙げられるが、この点、開発者からも期待の声が挙がった。