東京都遊協(阿部恭久理事長)は9月24日、都内新宿区の遊技会館で定例理事会を開催。現在、主に日工組と全日遊連でやり取りが続くECO遊技機問題の現状報告があった。
日工組が提案するECO遊技機が実現するには、全日遊連を始めとするホール業界団体の同意が必要となる。全日遊連は、日工組が提案するECO遊技機について、条件付きで同意するというスタンスだ。既にその条件を7項目にまとめ、日工組へ提示し、その回答が9月11日(文言を修正した正式版は9月17日)にあった。
理事会での報告によると、日工組の回答に対して全日遊連は9月19日の全国理事会で「遊技機及びシステムのコストダウンの可否、現行遊技機を含めた遊技性の向上、現行CRユニットの低価格での活用の可否、ユニットを含めた通信方法の効率化の方法論や道筋など、全日遊連が条件面で重視していた点が未だ明らかになっていない」とし、これまで同様、日工組のECO遊技機の提案に同意しない姿勢を継続するとした。
なお全日遊連が提示した7項目の条件に対する日工組の回答内容は下記の通り(※要旨)。
①ECO遊技機及びECOシステムの低価格化を実現すること
日工組の回答(※以下略)→ECO遊技機本体の価格は10万円以下で提供。ECOユニットの価格は15万円以下となります。現行遊技機は価格的にも現状を維持するのが精一杯。そこで遊技盤の価格を低価格で提供できる遊技性を搭載した遊技機を開発できるよう要望していきます。
②ECO遊技機は全て「スタンダード前飾り」を含めて型式を取得すること
→承知しました。
③現行CRユニットを低価格で活用できること
→特定ユニットは、ECO遊技機に対応する改造キットを用意します。改造キットやECOユニットは導入する際の費用負担を軽減できるようにします。なお設置年数が経過しているCRユニットの改造キットは、直近に販売したCRユニットの改造キットに比べて高価になります。さらに改造不可能なCRユニット(磁気カード対応ユニット)も存在します。
④システムの公的なセキュリティを受けること
→「セキュリティに完全はない」という観点から、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が、認定している評価機関にセキュリティ評価を来年早々依頼し、評価結果を提示します。
⑤セキュリティについての責任の所在を明確化すること。セキュリティが万一破られた場合の責任は、遊技機メーカー、システムメーカー側にあることを、各メーカーが公印付きの文書で、明確に約すること。
→遊技機については遊技機製造メーカー、ユニットであればユニット販売メーカーが責任を負います。公印付きの文書は、各販売メーカーとホール様間で締結される売買契約書で明確にします。
⑥通信形態の変化(ISDN→光通信)に対応したシステム環境を提供すること
→ECOシステムで導入するVPN回線は1回線導入することでホール内設備を1回線で集約できるメリットがあります。ユニット側のホール内通信回線やホールコンピュータへ出力する通信回線の統一化など、「標準化」「共通化」できる要素の洗い出し、また、各システムのホール外との通信に関しては、前記、回線集約を行ったうえで、サービスごとのアクセスポイントへの接続コストをトータルで低減化することを日電協、PSA、認証協、自工会、補給組合で協議し実現します。
⑦進捗状況の説明等の連絡体制を保持すること
→現状、明確にできていない項目などを含めて、定期的な意見交換の場を継続して設けたいと考えています。
全日遊連の理事長でもある東京都遊協の阿部恭久理事長は、この件について「ECO遊技機については期待されている関係者も多い。ただし、まだ見えて来ない部分が多すぎる。今後については日工組しだいだが、私としては、現行遊技機でバリエーション豊かなものを出して頂くのを見つつ、日工組の方向性を見ていきたい」と述べている。