警察庁はパチスロ機に搭載される疑似遊技演出やビデオリールの演出について、既存機種の一部の内容に問題があると指摘した上で、パチスロメーカーに適正な遊技機開発を求めた。
回胴式遊技機製造業者連絡会(里見治会長)は11月11日付けで、賛同会員に「回胴式遊技機の開発における留意事項について」と題する文書を発出。内容は、疑似遊技演出とビデオリール搭載のパチスロ機について、問題と考えられる指摘事項を記したものとなる。
疑似遊技とは、パチスロ遊技でレバーオン後、本来の遊技を消化する前の段階で、ボタン等の操作を契機に、図柄の組合せが疑似的に表示される演出のこと。2013年秋頃のAT(ART)機より同演出を搭載する機種が増えていた。
この機能に対し警察庁は「AT(ART)突入があたかもボーナスに突入したかのように表現するために、疑似遊技により「777」を揃えさせることがAT(ART)の契機のようにしている」「疑似遊技で揃った図柄の組み合わせでゲーム数の上乗せを行うものもあり、遊技ではないところで遊技の結果に影響を与えるおそれのある機能が搭載されている」と指摘。その上で、「回胴演出とは、あくまで遊技に対する期待感演出として用いられるものであることから、今後の開発において、遊技の結果を誤認させない、遊技の結果に影響を与えるおそれがないものの開発に配意して頂きたい」と求めた。
また、本来のリールのサイズを小型にし、主に大型液晶内に表示するリールで遊技させるビデオリール搭載のパチスロ機についても、「ミニリールの回胴を用い、有効ラインのみが見え、かつ遊技者から見にくい場所に回胴が配置されているものもある」「ビデオリールに表示される図柄を、仮に規則に当てはめると抵触するものもある」と、問題点を指摘。その上で「回胴式遊技機は回胴における図柄の組合せを揃えるものであり、液晶演出は、遊技の結果に影響を与えず、遊技の期待感演出を行うためのものであることから、少しずつ是正していただきたい」と求めた。