■パチンコ教室開講
店の外に出て「お話合い」なのだが、その前に店の目の前にヤクザ停めされたシルバーの古~いベンツEクラスが目に留まる、しかもナンバーは777。まぁ、こんな停め方するのは目の前のミニ蝶野しか居ないと思うけど、一応確認してみるとやっぱりビンゴだった。本物蝶野も同じクルマ乗ってるとか言われても知らんがなwwだからどうしたww
とりあえず尋問開始!散々車を褒めた後に現場を4方向からカメラで押さえた事を告げると、案外簡単にゲロるミニ蝶野、玉置いて出禁になればお咎めなしの裁定にも文句は無い模様。
で、ここからミニ蝶野が同類に匂いを嗅ぎとったのか、やたら親しく世間話が開始される。
BGMが蝶野だったから店長も蝶野が好きなのか?とか、IWGPの対藤波戦が熱かったとか、最初はそんな話だったのが、話がだんだんパチンコに寄っていって「警察にカネ払わなイカンから大変やのぉ」みたいにこっちが「?」となる方向へ。
どうやらミニ蝶野は店が新台入替する度に100万単位、月々の「管理料」として何十万単位で警察にお金を払わなくてはいけないと信じきっており、ヘタな親切心でボクは誤解を解いていった。
「直接お金払うのって、新台入替の書類に貼る証紙3,000円+αくらい」とか「部品交換したりしてもキッチリ全部申告して検査受けないといけないから~」とか「黙ってチョチョイと部品交換してる店もあるけど、本来それは無承認変更と言って即営業停止になる事」などなど、小一時間ほどミニ蝶野の疑問に答える&間違いを正す「CRAナカムラのパチンコ教室」を受講してもらい解散となった。
めっちゃ笑顔で帰っていくミニ蝶野、蝶野よりも池乃めだかに似てるのは言ってはいけない事実だ。
■寝耳に水
ミニ蝶野襲来から2日後、事務所のソファーで昼寝してると唐突に鳴るFAX。
業者からのチラシが多いのでいつもは無視が多いのだが、それは遊技組合からのFAXで内容は【近隣でゴト師出現、注意してください】というモノ。
・○○市○○○店
・狙われた機種:CR新レレレにおまかせ
・手口:ドツキゴト
・被害:6,000玉(約24,000円)
と、まぁ至って良くある情報なのだが、ここから先に書いてある事が…従業員が遊技者に注意したところ、①台に釘を差し替えた痕跡があるがコレは検査を受けて許可を取り直したのか?②ハンドル部分を交換した台(被害台とは別)があるがコレも検査と許可は万全か?③景品交換所の場所を聞いたら教えてくれたのだが、これは明らかに違法である④この3件について今すぐ警察の生活安全課に問い合わせて良いか?と業界内部の情報に精通しており、普通のゴト師ではない。組合員においては、いらぬ詮索を受けぬように順法営業を心がけてくださいとの事。
結局、被害店は事を荒立てず、景品交換を認めて帰らせたみたいだが、最後にゴト師の特徴として・160cm弱・ヒゲ・シルバーの型落ちベンツEクラスのナンバー777と記載されていた。……。
ミニ蝶野じゃん。そのまんまミニ蝶野じゃん。アイツ「CRAナカムラのパチンコ教室」で習った事を超そのまま自分の武器にしやがった!
ほんとね、被害出た店に謝りに行こうかと思ったさ。
■再襲来
事務所で一人で「うはぁ~」と凹んでると、電話が鳴って事務所に回されてきた。
「○サワさんから店長あてにお電話です♪」らしいのだが、○サワという名に覚えはない。
とりあえず出てみると「おぉ!ナカムラさんか!ワシや!○サワや!」と聞き覚えがあるような無いような声で「一昨日レレレでドツイて表で話したやろ?」と言われてやっと気付いた、コイツはミニ蝶野だ。
用件を聞くと「実はな、ちょっと店と揉めてな!また知恵を貸して欲しいんや!」と仰るのだが、断固拒否!の姿勢を貫き電話を切ろうとすると、とにかく今から行くから話だけでも聞いてほしいと譲らないミニ蝶野。
不幸な事にその日は書類仕事が山積みで、店から逃げる事もできない状況なので「来ても会わない!」とだけ告げて電話は終了した。
その約30分後、店の外の自販機にコーヒーを買いに出たボクが見たモノは、もはやドリフト寸前で駐車場に滑り込んでくるベンツEクラスのナンバー777。
(゚Д゚)うわぁ…。
つづく
・【コラム】ミニチュア蝶野正洋~後編/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題⑥
■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。
※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。