前回のおさらい。
紆余曲折を経て開店日を迎えた「全国のプロかかってこいやっ!ファフナー再設置祭り」だったが、集まったプロ達はまさにターミネーターばりの精密機械のような止め打ちの達人ばかり!開店から1時間でメキメキ伸びる赤字額!これはマジでヤバイ感じっ!
■秘策
プロの腕ナメてた…っ!と後悔してる場合ではないので、ハンドマイクを2本用意してCRAナカムラと釘師ゆきち氏の二人で「煽りマイク」を開始!
「ハイ5番台の仙台からやってきた『東北の虎』こと○○さん(実名)!5回目のチャンスタ~~イム!あぁぁぁぁっ惜しい~~っ!チャンスはあと3回ですYO!皆さん注目~っ!さあ順番待ち中の△△さん!どうですか!東北の虎の腕前は!」なんて言いながら、打ってる人や順番待ち中のプロ達にマイクを向けてとことん集中力を乱す作戦に出たのだ。
これがまた効果抜群過ぎてもうね、順番待ちのプロ達が大盛り上がりでヤジまで飛ばし始めて、打ってる人達の指先がプルプルしまくってミス連発!
一触即発の雰囲気もあったがそこは宥めてスカして場を収め、開店から3時間を超えたあたりで、店全体で見たら16割分岐の20割放出。
なんとか許容範囲内の数字に落ち着いてきたところで、既にノンストップ喋りっぱなしのボクの喉は限界を迎え、ガラガラの声で事務所帰還。ヤバイぞ、こんなの毎日できないww
とりあえず初日は元々早く閉める予定だったので、割数とにらめっこしながら「よし、今日はここらへんにしとくかっ」となったのが確か夜9時だったと思う。
ファフナー以外も案外動いてくれたんで、約50万の赤字で6時間営業を乗り切れた。
芸能人を1回呼んで50~100万とか払ってる今のホール営業と比べたら全然有意義な赤字だし、何より「今日はホテル泊まって明日も来るよ!」とか「今日で帰らなきゃいけないけど一生の思い出になったよ!ありがとう!」といった言葉を貰ったのが一番嬉しかったなぁ。
■ハプニング発生
で、大変なのはその翌日から。
あさ10時から夜11時の営業時間は固定なので、調整ミスがあるとムチャクチャに出されて途中でムリヤリ閉店しない限り甚大な被害となるため、CRAナカムラと釘師ゆきち氏は夜を徹しての綿密な調整と打ち合わせを……するハズだったが、早々にナカムラの部屋でビールがぶ飲み状態に陥ったゆきち氏と、前日から「遠足前の小学生状態」で睡眠不足だったナカムラが正気に戻ったのは2日目の開店2時間前www
「うぉぉぉ~い!マジかぁぁぁぁ!」と飛び起きた二人はスウェットのまま車をカッ飛ばして店に飛び込んで、急遽「2日目は全台シメ気味で行ってアケる必要があれば3日目に」という一見まともに聞こえる大義名分の元、実は超行き当たりばったりのこんな理由で全台一律シメになったのは内緒にしておいて頂きたい。
本来の予定よりシメた開店2日目、結局は1日目より大赤字で「本来の予定の弱シメならヤバかった!」という結果オーライ。うん、ボク持ってるね。
しかしまぁ、これで3日目以降の営業がさらに難しくなったワケで、予定では落とさないはずだったスタートとT1Yにメスを入れざるを得なくなり、以後も徐々に落として平常営業まで引っ張ったのだった。
ちなみにファフナーは元々3カ月という期間限定のお祭りで、最終的な収支は辛うじて…ほんとギリギリ店側のプラスで終わったのだが、話題作りや店の知名度アップを考慮して大成功だったと信じてる、うん。
■本来のパチンコ
修羅場をくぐり抜けてきたプロの腕前ってのは、ほんと機械みたいな正確さで「そりゃあ釘が並の腕前ならとことん抜かれるわなぁ」と感服したし、想定より遥かに手強い存在だったのだが、でもこれが「本来のパチンコ」のあるべき姿なんだよね。
打ち手のより多く玉を出すための努力VS釘師の腕前という構図こそが「ぱちんこ」であり、法律定義的にも技術介入の有無が遊技とギャンブルの境界線だったはず。
今のパチンコって、全台一律マイナス調整&技術介入お断りでこういうのを完全排除しちゃってるから、店の目先の利益は上がるけど本来の面白みがないからどんどん尻すぼみなんだよ。もうボクみたいな古い考えは必要ないかもしれないけど、温故知新だよ、やっぱ。
ところでそこのホールオーナーさん、こんなパチバカをお宅で使ってみませんか?←就職活動中。
・【コラム】死亡店舗復興計画/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題①
・【コラム】死亡店舗復興計画~新天地中国地方編/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題②
・【コラム】ファフナー再設置!全国から集まったプロは怪物揃い!~前編/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題③
■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。
※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。