CRAナカムラの半生を綴る『ぱちんこ閑話休題』が読めるのは遊技日本だけっ!という事で前回は中部地方から中国地方にお引越しが完了し、営業の柱として化石レベルの現金機に白羽の矢を立てたのはイイが、それだけではあまりにも弱いので世間的には有り得ない、ある「禁断の機種」に手を出そうと考えたトコまででしたね。
その「禁断の機種」とは、言うまでもない「CR蒼穹のファフナー」で、設置開始と同時にタイミング打ち&止め打ちで永久連チャンしてしまう攻略法が爆発的に広がり、全国的にお祭り状態となって、設置から間もなく一瞬で消えていったあの“迷機”である。
完全にとは言わないまでも、釘である程度防ぐ方法は色々あったのにも関わらず、店側が攻略の基礎を理解していない&釘の技術が未熟だったのが大きな要因で、あそこまで大きな騒ぎになった!ってのが持論でしたので、自分がやればお祭り騒ぎにはならない自信があったんです。
■助っ人要請
で、肝心のファフナーを中古で探すと1台4,500円でございますwwそりゃもうどこも絶対に買わないだろうからねwwコスパ最高wwそして開店予定日よりもだいぶ早めに届けてもらって、後はひたすら試し打ち&微調整の日々が続くのですが…これがやっぱり相当ヤヴァイんですよ。
胃に穴が開きそうになったところで、大親友の釘師ゆきち氏(当時、大阪・元町でぱちんこ博物館「えびす会館」を運営)に援軍要請して、わざわざ中国地方に1カ月滞在してもらいましたとも。ゆきち氏が居れば百人力!なんてったって実際にファフナー攻略で日本縦断して、田舎に庭付き一戸建て買えるくらい稼いだ張本人なんですからww
ゆきち氏が到着した翌日からは、2人でファフナーの調整に没頭するのかと思いきや…毎日ダイナムで乗り打ちしてるのはいったいどういう事なんだろう。
やっぱダメだ、このオッサン二人。
■誤算っ!
この企画においてはファフナー自体の調整も重要なんだが、さらに重要なのはプロモーションで、いかにして事前に全国へ知らしめるかが成功の鍵だった。
当時1日4万HITしていた自身のブログでも連日記事にしただけでは飽き足らず、知り合いのパチンコ雑誌編集部やテレビのパチンコ番組制作局に連絡しまくり、全て無料か超格安で事前告知記事を掲載してもらえる約束を取り付けたのだ。
ファフナー開店までの約1カ月間、大手雑誌2社の特集ページを計4回と週3回のテレビ告知、これが全部で10万円以下というウルトラ破格ww
ダメと言われるハズもない社長に決済を貰いに行くと…
「めっちゃ安いなっ!でもこの県は雑誌もテレビも禁止だよ?」
ハイ死亡!調べてなかったボクも悪いが、これは相当焦った。急いで関係各所に詫びを入れ、結局ネットなら良いとの事なので知り合いの「DJラオウ」にお願いして、コレだけは間に合ったカタチ。
今でも若き日のCRAナカムラとゆきち氏が見れるので、お好きな方は検索して下さいませ。
■精神攻撃
プロモーションで大きく躓いたものの、容赦なく迫りくるファフナー開店日。技術的な策はほぼ固まっていたのだが、何か打ち手に対してプレッシャーをかけて手元を狂わせるような策はないものかと思案して辿り着いたのが「シマの反対側に観覧席」だった。
これはファフナーの対面の台をベニヤにして、イスを180度反対に向けて固定するという非常にリーズナブルな装置で、1回交換の待合席も兼ねるのだ。何しろ腕に覚えのあるプロ同士、後ろからマジマジと見られるとプレッシャーがハンパないはず。さらにボクとゆきち氏も横から貞子ばりに睨んでるしww
実際、後から話を聞いたプロ達からはコレのプレッシャーに負けたという意見が多かった。
おおっぴらに攻略打ちしてそれを後ろから凝視され、上手くいったら「うぉぉぉぉっ」と地鳴りのような歓声があがり、ミスしたら「はぁぁぁ~」とタメ息をつかれ、店内マイクで「○○さん(本名w)上手いですねー!」なんてやられたら、そりゃ手がプルプルしますわな。
■いざ開店
技術的な策と精神的な策も練り終わり、いよいよ開店当日を迎えたボクとゆきち氏と店舗スタッフ達。
たしか15時開店だったかな?恐る恐る午前中から出勤すると、プロモーションに失敗したとはいえ50人くらいの、明らかに一般人とはオーラの違う猛者達が入り口にたむろしているのが分かる。もう完全に「どっかの組の集会ですか?」みたいな感じである。
それプラス、他県ナンバーの車の中にウジャウジャと人影があるし、気合いのキャンピングカーで来て勝手に店の水道を使って給水してる奴も居た。
事務所でドキドキの時間を過ごしていたものの、余りにも外の連中のガラが悪いので近所からクレームが来る前にと、開店1時間前に全員中に入れて雑談タイム(ここで打ち手の名前を覚えた)の後、ファフナー争奪じゃんけん大会を開催して…いよいよ開店となる。
■怪物
ファフナーのルールは一回交換(連チャン中は持ち玉)で、一度当たってチャンスタイムが終われば観覧席で並んでる次の人と交代となるが、繰り返し何度でも並んでOKとなる。
軍艦マーチと共に一斉に稼働するファフナー!ほどなくしてパラパラと当たり始め、お楽しみのチャンスタイムとなるのだが、ほんと「サイボーグか!」とツッコミ入れたくなる完璧な止め打ちを披露する輩がいっぱい!観覧席からのプレッシャーにも負けず、いきなり30連かまされた時は1時間で閉店しようかと思ったわww
ボクとゆきち氏の顔がだんだん青くなる中、順調に伸びる赤字額。ヤバイ、プロの腕前ナメてたわ…
・【コラム】死亡店舗復興計画/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題①
・【コラム】死亡店舗復興計画~新天地中国地方編/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題②
・【コラム】ファフナー再設置!全国から集まったプロは怪物揃い!~後編/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題④
■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。
※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。