【コラム】死亡店舗復興計画~新天地中国地方編/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題②

前回のおさらい。

「瞳孔が全開の店(ピークでお客さん1ケタ)」に店長として送り込まれ、奮闘の末になんとか「健康診断で再検査の店(ピークで100人までもう少し)」くらいまでランクアップし、予算もゼロから月80万円まで大幅アップ(笑)したものの、突如オーナーから「利益率は50%!ワシの知り合いは皆できると言っとる!」という本格的ファンタジーな勅命を下され「どこの知り合いか知らんけど頭沸いてるんスか?」と心の中で思ったつもりが口からポロッとクリアなサウンドが飛び出したらしく、めでたく冷戦状態に突入。

ここから悶々とした日々が始まるのであった。

■捨てる神あれば
「あーもうヤル気ねぇー」と自店の事務所とライバル店をウロウロしながら過ごすこと数日、いつものように顔見知りのメーカー営業マンがご来店。

この営業マンとは「新台なんて買えないZE?」「そんな事分かっとるわww営業実績だけ貰いにきましたww」なんて挨拶が日常になるほど仲良くしており、この1カ月ほど前には念願だった「常軌を逸した出方をする某地方の狂暴ジャグラー」を朝から新幹線に乗って連れ打ちしに行ったりもしたのだった。その営業マンといつものように事務所でムダ話に花を咲かせている中、ボクが愚痴で「もうココ辞めるわー」とこぼすと、突然真剣な顔になった営業マンが「そう…ですか…ちょっと今からメシ行きません?」と誘ってくれて、近くのファミレスに移動。

そこで、なんと営業マンの実家が実はパチンコ店であること、その店が相当ヤバイ事、もし良ければ店長で来て欲しい事、当然ながら今(手取り20万以下)より給料は上がる事、ただし店は中国地方だけど社宅がある事、などなどを聞かされ、3秒ほど絶句した後はもちろん即答で「いくいくいくいくっ!イクゥ~~!」で大絶叫し、ファミレス中が静まり返ってスタッフが汚物を見るかのような視線を送ってきたのは良い思い出。だってオッサン2人が「イクイク~」なんて騒いでたらもう完全にこっちの世界の住人ではないハズだもん。ごめんね、サイ○リヤ。

■あとは惰性
悩む暇もなく早々に身の振り方を決定し本部に退職の意を伝えると、さっそくだが例の「利益率50%取れると断言するオーナーの知り合い」が次期店長としてやってきて引き継ぎ作業開始。この次期店長、実は相当前に同じグループ店舗で店長をしていた所謂出戻りで、実務経験もあるのに何故壮大なファンタジーである「利益率50%」を可能だと答えたのか…まぁ単純に仕事欲しかっただけでしょうけどね、妻子持ちらしいですし。でも、ボクはライバル店から副収入あったから生活できたけど、今のこの会社の店長職って手取り20万ないのに大丈夫っすか!?

でね、聞いてみたんですよ「本当に利益率50%取るつもりなんですか?」って。答えは無言の後に「…取るしかない」だそうで、ご健闘をお祈り致しますww

そこから約半月後、独り暮らしの少ない荷物と愛犬&愛兎一匹ずつを連れてボクは中国地方へ旅立ったのだが、引き続き担当として営業に行っていた営業マン(新しい店に誘ってくれた彼)によるとその旅立ちから3か月後にはもう新店長行方不明とのこと。どんだけ体を張ったギャグだったんでしょうか。

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