箱積みの魅力云々が事実であれば、今のように各台計数機は普及してはいない。もちろん、新店オープン時に特に海系の島だけしばらく箱積みにして出玉アピールをする、なんて手法が一時期流行ったが、それとてしばらくすると海の島も各台計数機になるわけだ。
遊技球が出てきたり遊技メダルが出てくること、それを箱に積むこと、重いと感じた分量がその日の「成果」ということで快感を感じるということ、これはもちろんある。というか、昔からぱちんこパチスロに興じていた人にとって長く続けてきた遊技の目的そのものである。
が、楽さの追求はそれを超えると私は考えている。今、島の外の券売機で購入して、という手間を望んでいる遊技客は皆無に近いだろう。カードはその初期、わざわざ券売機で購入しなければならなかったという記憶は、ユニットに現金を投入できるものがデフォになった現在、ほぼすべての人にとっては前時代的なものとして普段は忘れているわけだ。
もちろん、スマート遊技機が一気に市場を席巻してあっという間に既存機がすべてスマート遊技機になるわけではない。CR機も登場から長い年月を経て今に至っている。だから既存機も重要だし、今後もPSともに既存機も良い機械が出てくる可能性は普通にあるのでスマート遊技機未導入店も既存機で勝負すればいいので過度の不安は禁物だろう。だが、遠い将来かもしれないが、遊技機とはスマート遊技機のことを指すというくらいに市場すべてがスマート遊技機になったとき、その始まりはいつだったか?というと、2022年11月21日だ、ということになるわけである。
この業界で生きていく以上、賛否や導入可否、さまざまな想いはひとまず置いておいて、この歴史的な日付を業界内の人間として感じたいと思う。
■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。