海外のスロットマシンのキャッシュレス化は20年以上前から進んでいる。ゲームセンターには昔から専用筐体の中にパチスロを埋め込む形式のメダルレス態様も存在していた。また、コンシューマ向け(主に家庭用ゲーム機)のぱちんこパチスロゲームにおいては、ゲームに興じる人は遊技球もメダルも持っているわけではない。メダルレスという態様は世の中に知られているものであった。が、具体的に日電協が「これを推進しよう」としていたわけではない。
日電協が推進し始めたのは日工組がスマートパチンコ(当時はECO遊技機、管理遊技機)を強く推進しホール団体の賛同を集めようとしていたタイミングである。
つまり、構想そのものはぱちんこよりもかなり後から登場したものだ。それがぱちんこよりも先に登場するわけである。
規則改正でPSの出玉性能規制のバランスが崩壊したかのような内容になってしまった時点で6号機には不安がずっと残っていた。同じ規則のままなんとかそのバランスを持ち直すように日電協や全日遊連等が政治力にも頼りながら水面下で努力をした結果、今の6.5号機の登場まで実現してきた。
P機については今年はRe:ゼロ以降Re:ゼロを超える新機種が登場していないという点を除けば、性能規制や開発企画環境に不安を感じる業界関係者はいない。むしろ欲しい台数供給してほしい、という強気の不満が拡がっていたような状況である。
しかし6号機は中には貢献した機種もあれど、総じて業績悪化の原因となっていた。経過措置終了直後にホール法人の業績そのものが急変したという事例は全国で散見されているものであった。
それだけに不遇だったパチスロが、もちろん性能規制面で不安のないスマート遊技機としてのスマートパチスロが、ずっと古くから構想のあったぱちんこを飛び越えて先に実現するわけである。これこそがエポックメイキングだと私は考える。