そんなの自己責任だろ、パチンコが悪いわけではないと冷静なツッコミをくれる業界人各位もいらっしゃるでしょうけど、いや数多のギャンブルよりパチンコのがタチ悪な部分もあります。それは「何ら悪いことをしていない」のに、手酷い負けを喰らう場合が珍しくないことです。回る台を打つ、できる限り粘るのが、今も昔も変わらぬ必勝法。しかしその「間違っていない」打ち方が、より傷口を広げる結果になりかねないのが今のスペックなんですよね。現行のパチンコは確率のブレに乗っかって、たまさか破格の出玉を楽しむ遊びですが、初当り→確変突入→継続→出玉振り分けという何段階ものハードルを超えてやっと得られる夢見心地のひと時に対し、負け圧への下振れ要因が多すぎるわけです。どれが欠けても納得いく出玉には届かない。深追いしても結果がついてこない。僕なんかそんなのばっか(被害妄想)。大数の法則も確率の収束も、そんなの月に100時間やそこらの実戦じゃ体感できるはずもありません。そうなるはるか前に資金が尽きる、「回っても勝てないじゃないか」と不信が募る。それが多くの打ち手の現実であり実感でしょう。
それでも打ってしまう(いや打たされてしまう)のがパチンコの面白さと言えますが、でもこれって完全に「ザ・ギャンブル」のそれ。僕自身ライトユーザーへのアドバイスは、回る台を打てではなく、「投資上限を決めて、勝ってる間に帰りなさい」と、一般ギャンブルへの対峙法と同じことを言うようになりました。現行のハイスペックミドル機がホールの中心である状況が続く限りは、遊技だ時間消費レジャーだと綺麗事を言うのはいい加減ヤメなきゃいけないのではと思います。そして、金銭的な「リスク」に関しても、具体的な数値公開をしていく必要があるんじゃないでしょうか。臭い物に蓋は、もう限界としか思えない……。そんなことを考えながら、今日も16個しか回らないリゼロにブッ込んでいるまんぱつでした。はぁ、ほんま勝ちたい。
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。