今、Re:ゼロやエヴァを打っている老若男女。彼ら彼女らはそれぞれの人生の「今」を生きている。特に喜怒哀楽の激しくなる刹那において、その人生は分岐点を観る。辛いときにRe:ゼロやエヴァが心を慰めてくれたら、彼ら彼女らにとってRe:ゼロやエヴァはただのときの人気機種ではない。人生を振り返ったとき、強烈に心に記号されているものである。何年も経って人生がより豊かになったとき、テレビをたまたま観ていたらRe:ゼロやエヴァが出てきたとしよう。人によっては郷愁に近い感傷を感じることができるかもしれない。
私にとってのビッグシューターやエキサイト、ダイナマイト、獣王、新鬼武者のような機種は、ぱちんこパチスロ打ちには必ずある。それは今、この瞬間も生まれている。そしてそれは人によって違う。当たり前だ。小坂明子「あなた」や荒木一郎「空に星があるように」で何かを思い出す人もいれば、ジャニーズやBTSの曲で何十年先に思い出す人もいるのである。
紙媒体やテレビがオワコンと呼ばれてもまだまだ生きている。遊技産業も同じだと思う。人が人生において心に記号する、生きるために必須の栄養とかではないものは、ときに精神を浄化してくれ、それが何十年もずっと作用してくれる。私は後の人生でエヴァやRe:ゼロを観るたびに「ああ、あのときはあほみたいに忙しかったなあ」と感慨にふけるだろう。
みなさんは誇りを持ってほしい。数多の人の精神を救った実績は、間違いなくあるのだ。そしてそれは数多の人の心の中でずっと輝いている。
■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。