しかし、僕のように理屈を分かった上で割り切って遊んでいるユーザーは、実はものすごく少数派だという現実があります。多くは本物のギャンブルだと捉え違いをしていたり、長期視点で楽しむ金銭的・精神的余裕がないまま、娯楽の範疇を超えてアツくなってしまう人たち。しかしそんな「大人ではない」ユーザーこそが業界を支えるコア層でもあるわけで、となると商売上は煽り倒すしかなく、また遊技機スペックも偏らせ尖らせていくしかなく、結果いつまで経っても「真実」を伝えられないままに、どんどん娯楽とは乖離したイメージばかりが肥大していく。台の取り合いで暴力沙汰?嫌がらせでトイレを壊す?そんなクソみたいな問題が頻発するのも、すべては「業界の都合」によるもの。そうするしかないと理解はしても、それでいいのかとの思いは大きくなるばかりです。
勝てない、くだらない、でも楽しい。その境地に至って僕は、パチンコで遊ぶことが心底面白くなったし、無理をしたり負けを他責にしたりのネガティブ感情から解き放たれました。そして、このさして価値のない、しかし遊ぶ上では欠かせない悟りを一人でも多くのユーザーと共有したく、しょーもない表現活動を続けています。繰り返しますが、パチンコは娯楽です。娯楽なりの「正しい楽しみ方」を啓蒙していくことは、今後の業界に欠かせないと考えます。
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。