どうしても11月は凱旋の撤去の影響が市場にどこまで出てくるか、という点が一番気になることとなる。シミュレーションはいつの時代でもそれぞれ出来る限りやるものだろうが、今年はコロナ禍という特殊な年だ。単純に自店、自社の前年同月比の売上・粗利益額を1月から順に10月まで並べて前年同月比ポイントを折れ線グラフにしてみるとよりわかるだろう。休業期間中は最大で0になるわけだし100%を超えるような月が続くということももちろん考えにくいので、折れ線グラフは異例な様相を見せているはずである。
さらには、今再び、新型コロナウィルス感染が拡大に向かっている。こういう、極めてイレギュラーな社会の変化の中で、主力機の凱旋が撤去となったら、残った機種群の実績はこうだから云々というシミュレーションそのものが、精度的にどこまで通用するかは疑問でもある。よって、ただでさえ気になる話であるはずが、今は特別に気になる話になるということだろう。
21世紀会決議の遵守率推移については、業界の取組み(書類発給留保や通報システム、メーカーによっては新台販売留保や値引きなし等)がどこまで奏功するかという視点でこれまた重要な点ではあるが、多くのホール現場にとっては「これからどうなっていくか」ということが最重要である。単純には、凱旋の撤去、そして店舗によって設置台数に格差はあるが沖ドキの撤去も控えており、パチスロ島の収益性が大きく変化していく懸念が当たり前のようにある。
今は、新台すべてが6号機であるし、中古移動や再設置ができるものでも5号機は時限ものには違いない。このため、6号機の今後と5号機の撤去とのクロスフェードがどのようになっていくか、という点が一番のポイントとなる。平たくいえば、5号機の撤去はパチスロ島の収益性を悪化させていく方向である。サラ番の撤去ももちろんであったが、明らかに凱旋や沖ドキの撤去の方がその兆候を見せることになる。一方、6号機のこれからリリースされる新機種の能力ポテンシャル如何によっては「パチスロ島の収益性が将来どこかで底を打つまで下がり続ける」ということも懸念されてしまう。
6号機については10月途中から型式試験の試射試験の方法が一部で変更となった影響もあって、少なくとも出玉率下限値を超えた不適合という可能性が減少することとなった。直接関係しているかどうかは不明だが、10月の一か月間の6号機の型式試験適合率は20%にまで回復してきている。10月後半からは不適合の可能性が下がる試験方法変更はあったが、10月前半は従前のままだった。仮に10月前半の適合率がその前月レベルの15%だったとすると、単純計算で10月後半は25%ほどないとアベレージで20%の適合率には届かないことになる。