兵庫県遊連青年部会は5月8日、神戸市中央区のANAクラウンプラザホテル神戸にて第50回定時総会を開催。令和6年度事業報告、令和7年度事業計画など上程された3議案は全て滞りなく原案通り可決承認された。
冒頭、檀上に立った新井稔史部会長は、「今から50年前の1975年12月に兵遊協が発足して以来、今回第50回という記念すべき総会になった。50年間は大きな時代の変化の流れもあり、我々の業界を取り巻く環境も大きく変化してきたが、その都度青年部会を中心にいろんな情報を交換して対応してきたからこそ今があると感じている」と述べ、創立50周年を祝した。
また事業報告として、愛知県で開催された第14回全国遊技業青年部交流会への参加や、2年前から開始したG&Eによるパチンコパチスロビジネス検定のビジネススクールの開催、チャリティゴルフコンペについて報告した。次回の全国遊技業青年部交流会は兵庫県での開催を承諾したとして、よりよい交流会をつくり上げたいと意気込みを見せた。
社会貢献活動については「『第10回はぁ~とふるふぁんどフェスタ』は一旦の区切りとして、盛大に開催することができた。この活動を通して兵遊連青年部会が社会貢献活動をしているということを、県民の皆様に知っていただけたのではないかと感じている。この10回も積み上げてきたものをここで終わりにするのではなく、隔年よりも毎年開催することでより県民に社会貢献活動を知ってもらえる場所を設けられればと考えている」と抱負を語り、今後の組合運営について理解と協力を求めた。

新井稔史部会長
続く記念講演では、東京大学生産技術研究所付属災害対策トレーニングセンター・一般社団法人災害対策トレーニングセンター支援会の吉田克也常務理事が登壇。「阪神・淡路大震災から30年 ぱちんこ店防災拠点としての可能性」と題した講演を行った。インタビュー動画では、兵遊連の会長、副会長が当時の状況を語り、辛い情勢の中でも地域へ真摯に対応していたからこそ今の環境があると振り返った。吉田常務理事は「今大事なことは、あなたのお店がどのようなハザードにさらされているのかをハザードマップより認知し、周辺状況も調べた上で、自店にしかないものや自店にしかできないことを知ることである」と話し、災害時の地域貢献について講演した。

吉田克也常務理事
総会には、末松信介参議院議員秘書の中西誠氏、兵庫県遊連の平山龍一会長らが来賓。中西秘書は末松信介参議院議員の祝辞を披露し、「東日本大震災の際、遊技産業は寄付金を60億円も拠出し、兵庫県でもはぁ~とふるふぁんどフェスタなど、さまざまな社会福祉支援事業が行われている。そうした業界であるにも関わらず、いわゆる風営適正化法で所管され、性風俗などと同じように扱われている。コロナ禍では末松も力を尽くしたが、セーフティーネット保証の対象業種となった。しかし、あくまでも新型コロナの特例であり、さまざまな制度、IT導入補助金も対象外、能登半島地震の持続化補助金などさまざまな制度も対象外となってしまっている」と指摘した。さらに「遊技産業法のようなものを作って、風営適正化法と切り離す必要があるのではないかと感じている。国内で健全な経営を行い、適度に楽しめる、依存症対策を行う遊技産業を育成することが今こそ必要ではないか。遊技産業への後押しとして、阿部恭久氏への支援を広げていただきたい」と代読した。
続いて、兵庫県警察本部生活安全部の大戸英治保安課長が公務で出席ができなかったため、益原武史副部会長が祝辞を代読。犯罪の手口が巧妙化する治安情勢について話す中、近年利用者が急増するオンラインカジノについて「年間の賭け額が約1兆2,400億円にも上ると推計されており、ゲーム感覚で賭博行為に興じるなど、大きな社会問題になっている。県警察ではこういった事案に的確に対応し、県民の安全を守るため総力を挙げて検挙、予防対策に取り組んでいる」と明かした。営業の健全化については広告宣伝、子どもの車内放置事案、社会貢献活動の3点について言及し、「社会貢献活動において県民や社会から高く評価されているため、今後も若い力を結集させてその存在価値をさらに高めていただきたい」と祝辞を述べた。
平山会長は「先輩方が積み重ねてくれたこの業界を、私たちは今いかに形を変えて継承していき、より良いものにしようと努力している。青年部は仲間意識が強く、いろんな相談もできる場であるからこそ問題点を日々話し合い、解決に向かって努力している。その役割は重要で、特に山場を迎える今年にあたっては青年部からも多様な意見を出してもらい、成功させていきたい」と述べ、今後の組合員の活動に期待を寄せた。
総会終了後の懇親会では、50周年という節目に際し全日本学生遊技連盟を招き、トークセッションも開かれた。

平山龍一会長