4月24日、大阪府の吉村洋文知事が全国で初めて休業要請に応じず営業を続ける府内6つのパチンコ店について店名を公表したが、他の都府県でもパチンコ店名公表の方針が続々と示されている。
首都圏では東京都が「休業に応じてもらえない場合、今月28日に措置法45条に基づいて店名を公表する」という方針を示しているが、神奈川県は「来週のなるべく早い段階に店名を公表する」、茨城県も「15店に対して営業を自粛するよう文書で要請した。応じない場合は28日にも特措法45条に基づき店名を公表する」との方針を示している。一方、千葉県は「施設名公表に踏み切るかどうか5月2日までに判断する」、埼玉県も「まずは協力をお願いし、必要に応じ店名公表などの措置を取りたい」と現時点では慎重な構えだ。
関西圏では大阪府に続き、兵庫県も「25日に22店に対し職員を派遣して事前通知、27日 正午時点で営業を続けていれば公表する」、京都府も「25、26日実地調査し、要請に応じていない店は事前通告したうえで公表する」としている。
また福岡県は「9割以上のパチンコ店が休業しているが、営業している店に改めて文書で休業要請を通知。週末の営業状況を踏まえ、さらに必要な対策を検討」、山口県は「要請に応じない事業者については名前を公表することも視野に入れている」と考えを示した。
これらは、今まで特措法24条の「協力要請」による休業要請だったものを、要請を受け入れない店舗に対し45条の「使用の制限若しくは停止を要請」に切り替えるもので、これにも正当な理由がないのに要請に応じないときは、さらに一段上の「指示」がなされる可能性がある。この動きに、大阪府で6店のうち2店が翌日から休業要請に応じたことで「一定の効果がある」という意見がある一方、営業を続行した店舗の中には翌日の開店時に約300人が並んだ店もあり「開業店舗を知らせることでさらに客が集まり逆効果だ」との意見もある。
また、店名公表自体に批判的な声も出てきている。著名人の堀江貴文氏は自身のツイッターアカウントで、オンデーズ社長・田中修治氏の「大阪府知事のパチンコ屋の吊し上げは明らかにやり過ぎだと思う。反対。特定業種を恣意的に選んで見せしめに首を絞めるようなやり方は法治国家として決してすべきではない。」という投稿をリツイートしたうえで、「ほんとそれ。これは暴走だ。」という自身の考えをツイート。また国際政治学者の三浦瑠麗氏もツイッターで「見せしめのような店名公表には反対です。自粛なんだからあくまでも基本自由であるということを原則として頭においていただきたい」とし、さらに「潰れて労働者がクビになったら責任を取れるのでしょうか」と疑問を投げかけている。