政府は3月26日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の国内実現に向け、IR整備法施行令を閣議決定した。
カジノ施設については、床面積の上限をIR施設全体の3%とした。広告宣伝は、国際線が就航する空港や外航クルーズが就航する旅客ターミナルのうち、外国人旅客が入国手続きを完了するまでに滞在することができる部分に限定している。
またカジノ行為を通じて、事業者と顧客の間で100万円を超える現金の受け渡しがあった場合等には、カジノ管理委員会への現金取引報告の対象とすることで、マネーロンダリングの対策とした。
このほかIR施設の中核のひとつである国際会議場及び展示等施設は、最大国際会議室の収容人員がおおむね1,000人以上、展示等施設は国際会議場の規模に応じて規定以上(例えば最大国際会議室の収容人数が1,000~3,000人規模の場合、展示等施設の床面積の合計はおおむね12万㎡以上など)の床面積を設けることと基準を定めた。
宿泊施設は、全ての客室の床面積の合計がおおむね10万㎡以上とし、最小客室の床面積や、最小スウィートルームの床面積、客室全体に占めるスウィートルームの割合は、国内外の宿泊施設の実情を踏まえて適切なものとすることとした。
施行令は、2月1日から3月4日まで案のパブリックコメントを実施。内容に変更はなく閣議決定を迎えた。法律の施行は段階的となるが、中核施設(国際会議場や宿泊施設など)に関わる法令は今年4月1日より開始される。
閣議決定の会合で安倍晋三首相は「IR整備法施行令案は、国際会議場など、IRを構成する施設の基準・要件として、これまでにないスケールとクオリティを有するものであることを求めるとともに、世界最高水準のカジノ規制を具体化すべく、所要の規定を整備するもの。 政府は今後も、IR整備法で定められたカジノ管理委員会の設置や、基本方針の策定に全力で取り組み、観光先進国の実現を目指してまいります」と述べた。