【コラム】型式試験の申請予約状況

コラム:ぱちんこ開発者の独り言

●型式試験の申請予約状況
皆さん、ご承知であるとは思うが、2月1日よりぱちんこ・スロットともに新基準機での保通協申請となっている。保通協HPにアップされている「型式試験の申請予約状況」を確認すると、2月1日の申請はぱちんこが5枠に対して5件、スロットが5枠に対して3件の申請予約となっている。スロットはそれ以降、今のところ申請予約が無い状態であるが、ぱちんこは2月2日も同様に5枠中5件、翌週も少ない件数ではあるが予約が入っているようだ。

ぱちんこの方は新規則機持ち込み初日、2日目に予約が全て埋まっていることなどから、どこかのメーカーが新規則機発表一番乗りを奪取すべく、いち早く申請にこぎつけた可能性があるかもしれない。

その場合、現行規則機と混在しながら販売活動を行わなければならないため、新規則機でホール及びユーザーの数少ない興味事項である「設定」という部分を押し出した遊技機の可能性があるが、残念ながら、現時点においてはその可能性は低い。

また、仮にそうであったとしても、旧規則機で申請枠を考慮し旧規則下での申請を早々に断念した機械もしくは、新規則内容が発表されて後、超短期間で開発した機械でないと、新規則体制移行日に即申請は不可能であると考えられるため、機械内容の出来に関して大きな期待を持つのは現段階では難しいといえる。

おそらくは、ラウンド数が少なくなっても問題ないであろう遊技機の持ち込み、もっといえば、既に開発終了してメインスペックが少なくとも保通協に適合している遊技機の別スペック(甘スペック等のエコ対応機など)であれば、微細な修正のため短期間で申請までもっていくのは可能であるし、そもそも修正を必要としない場合があるので、それらが持ち込まれた可能性は高い。

他に考えられる事案としては、新規則下においての実射試験のデータを実際に確かめる必要性があるため、スペックのみを新規則機におさまるように調整し、出玉試験の内容を確認したいという意図をもったメーカーが持ち込んでいる可能性がある。

意外に思われるかもしれないが、保通協の試験において、規則的な内容を守っていれば、液晶演出に明らかな不具合があったとしても試験に影響を与えることはほぼない。例えば、SPリーチ中にいきなり通常画面に戻って変動が終了したとしても、通常中にいきなり確変モード画面になって確変中には本来発生しない予告が出現したのち、通常画面に戻ってハズレたとしても、液晶演出だけの問題で、規則的に問題がなければそれが原因で不適合になることは無い。そのため、開発終了した機械にスペックだけを新規で作成し、保通協に持ち込み、スペックの確認を行う。ということは、一般的によく行われている。

余談ではあるが、1月期の予約空き待ち順一覧表をみると、ぱちんこ等遊技機は順位1番の受付番号に斜線が引かれている。これは、キャンセル待ちの遊技機(ぱちんこ53型式、スロット92型式)であり、1枠何とか滑り込んだ遊技機ということを示している。この遊技機こそが、最後の最後に申請可能になった最後の旧規則機であるといえるだろう。(試験に落ちる可能性はあるが)

■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、開発だけではなくホール向け勉強会や講演会など多数開催。

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