回胴遊商(伊豆正則理事長)は5月24日、都内文京区の東京ドームホテルで平成28年度組合大会・講演会・懇親会を開催した。
組合大会では、行政講話、新規加入組合員の紹介、総代会の報告等が行われた。伊豆正則理事長は冒頭の挨拶で、組合大会に先立ち開かれた通常総会で全ての議案が可決されたことを報告。また回胴遊商の組合員を取り巻く現状として「遊技機取扱主任者等の業務量はますます増加することになり、労働環境の一層の悪化が予想される」ことを挙げ、「働き易い希望の持てる業界に変革させるため、警察庁はじめ業界団体等へ改善を求め、回胴遊商は行動を起こしていく」と意気込みを語った。
業界全体の動向については「かつて経験したことのない混迷を迎え、変革の時代。我々が直面している問題は個々の団体ではなく、業界全体の問題として捉え、業界が大きな決断と実行なくして業界の将来はない。私達は未来へ向け終わりのない旅を続けていかなければならない。将来へ向け新たな一歩を踏みだすとき」と述べ、業界団体が一つにまとまり、決断と実行することの重要性を主張した。
講演会では、衆議院議員の葉梨康弘氏が「遊技業界と風適法の現状と課題」という演題で講演。同氏は警察庁出身で、昭和59年改正の風適法の改正作業の中心メンバー。退官後の平成15年には衆議院議員として初選出され、現在まで4期連続で当選している。講演では、昭和59年の風適法改正がどのようなものだったか、またカジノなど今後の遊技業界の動向に関係する部分について話した。
同氏は風適法の改正作業を行った当時、7号営業(パチンコなど)と賭博を分ける3つのポイントがあったと言う。それは「技術介入性」「娯楽性」「小額性」であり、「技術介入性とはパチンコだと、どこを狙ったら役物に球が入るのか、パチスロは一個一個(ボタンを)押すこと。娯楽性は出玉率は限りなく1に近い形を取るということ。10時間遊技した際の出玉率が1/2以上2倍未満という規則はここからきている。小額性とは、例えば一分間400円ルール、これは今でも変わっていない」(同氏)と詳細を説明し、「機械の面から賭博では無いことを打ち出したのが当時の規格改正」と風適法改正における趣旨のひとつを述べた。
また今後、カジノなどの賭博と7号営業をどう切り分けるかは「悩ましい部分もあるが、少なくとも健全な娯楽である以上、遊技業界は優位性を持っている」とし、「特に小額の娯楽に向かうことで、賭博との切り分けができる」と述べ、近い将来、賭博との関係性が見直されると考えられるパチンコ業界の方向性について私見を語った。
伊豆正則理事長
衆議院議員の葉梨康弘氏