【PICK UP】「新しいぱちんこ遊技機の活かし方」/PCSAパネルディスカッション

荒籾:共存ができるとは思いますが、明らかに安全安心な機械が入った時に、体感、実感として違う機械だなと認識した時点ではかなり厳しいと感じます。後は、みなしとして使う事に対して色々な抵抗もあるでしょうし、その辺で新基準の機械が出てきた時に、共存は難しいと今のところ判断しております。

藤田:渡辺さん、この辺のところ、立場上、言いづらいこともあるかもしれませんが。

渡辺:日工組としてそこは分からないが、どうしても今のベース値の機械について行っちゃうと思うので、そこで、なんでベースが高いのかっていうのを、先ほども言ったように回るようにするんだったら、ヘソに依存した方が良いと思って4とかを考えている段階です。こっちが3だ、こっちが4だという事になれば、回りの入賞数が違えば理解できる方は違うと思いますので、先ほど5までという事になると、行き過ぎというか行ってもいいと思いますが、段階的にはまず4だろうと。

藤田:4というのは共存していく期間、その方が分かりやすいという事ですか。

渡辺:ベースが高いのに何で高くなったの、という時にある程度ヘソに依存した方がいいんじゃないかなと。

藤田:山口さんはどう思われますか?共存に関して。

山口:今、マックスというのはホールさんの中で大切な機械です。でもこれは時間が来れば無くなってきます。新しいものが新基準で入った時に、それはそれなりの特性があります。それを古いマックスの機種と同じように使おうとすると、遊技客としては、当たってもそんなに玉が出ないし、そんなに回らないし、玉持ちも悪いしという事になってしまう。旧基準以外はやっぱり駄目だね、という事になってしまうと、旧基準が無くなるわ、新基準がダメだとなると、大変なことになるだろうなと。

新基準はベースが上がります。ベースが上がるという事は、一気に出す玉数はどうしても減ります。当たる確率も320分の1になりますから、通常のマックス機より体感できるものは早くなります。その特性を生かした状態で長く遊んでいただくという形を取っていただければなと。

あと、新しい機械になりますと、320が主流になると思いますが、中には200分の1の機械も作るようになってくると思います。そこは複雑な出玉と効率の関係で、定まってくるとそこでまた新しいカテゴリーの機械としてホールさんで使っていただければなと。そして最終的に夜8時半過ぎ、9時あたりからでもお客さんが打って頂けるような、稼働がついてくるような機械にしていきたいと思っています。

藤田:今言われた部分というのは、先ほど言われた2時間で遊べる機械という意味でしょうか?大石さん、共存の期間をどう考えますか?先ほどみなし機の問題というのも営業者側にはリスクがある事じゃないですか。

大石:共存というのはホール側にとってですか?共存できるかというか、していかなければいけないので。時間は戻せませんし、企業の知恵を絞るしかないですね。後はいわゆる換金率の問題もありますし、どう対応するかというのは、しばらく、全体が変わってゆくまでしょうがないです。ゆえに、メーカーさんには早く開発してくださいという話です。しょうがないです。

藤田:以前はパチスロが4号機問題の時に、4号機から5号機に変わっていく時とちょっと似たような状況もあったかなと思いますが、現実に受け皿となったのが、パチスロからパチンコに移行したというのがあったと思うんですが。その辺を含めて今回の共存期間というのはどうでしょうか?

大石:一時的にはスロットに傾重する傾向は出て来るかと思いますが、じゃあ今の店が全部パチスロになるかというとそうもいかないですし、結局企業、企業で知恵を絞るしかないです。

藤田:知恵の部分は企業秘密で。

大石:議論は当然しています。予算の作成の季節ですからそこにどう対応するか、日々、毎日のようにみんな色々な意見を議論しています。正直皆さんしんどいと思います。

藤田:これをスカッと替える方法はないんですかね。現実的には。どのくらいの期間共存が続くのか、渡辺さんどうなんでしょうか?ホール側の問題といえばホール側の問題なんですが、供給側として。

渡辺:何もいえないですが、スカッと変わるのは4の機械に客が付く事です。今まで4とか5を出してあんまりいい結果を出していません。今度4個賞球の機械を作っていて、当然マックスやっていた客は物足りなくなって減っていく。そのマイナスされたデルタX(数学の用語で「増減分」の意味)という人数をどうやって4個の方につけていくかです。今の3が4になったという事になると、ホールさんの営業を遠くから見ても今までの4と同じように扱ったらどうなんだろうというのがあるので、そこら辺が一番のキーだと思う。

藤田:渡辺さんが言われるように4個賞球の方が稼働が良くてファンが喜ぶのであれば一気に変わってくることもありうるかと思います。ベースが上がってきて比較的玉持ちが良くて大当たりの時の出玉は今までよりも少ないけれど、遊んだ実感値、あるいは勝てる回数が増えるというのが今後の機械では出て来ると思うんですが、それこそ1円に行ったファンを4円に戻すチャンスなんじゃないかなという風にも考えられるんですけど。山口さん、作る側として。あまり1円、4円というのを考えて機械づくりをされていないとは思いますが。

山口:できれば1円で打っているお客さんを4円パチンコに持っていきたいと思っています。そこには、羽根物とか色々なカテゴリーの機械を開発しながら、今の役物比率の6割7割をクリア出来るような優しい機械を、開発期間を短くした状態で作れるようになる、もしくはセットものとかがもう少し簡単に作れるようになる、そうすればもっと機械代も安く提供できるような形で使って頂けるんではないかなと思っています。出玉競争に走らないものを作るためにこういうモノ作りをしたいと話して、隣の渡辺さんと進めていきたいと思っています。

藤田:色々言われた中で規則改正は大きなキーになりそうな気がします。この1年間、警察庁の発言を聞いていますと、メーカーだけではなく、ホールとメーカーがもっと協力して何かやっていけ、というニュアンスの話が多かったと思います。今の規則改正に向け、ホール団体と日工組あるいはメーカーが協力し合えるポイントとかあるんでしょうか?

渡辺:あると思います。日工組がこういう規則改正の要望を出しましたとか、将来のスキームというかこういう業界像にしたいと各団体さんに知らしめるようになれば、各団体さんの方でも動かれると思います。

一緒にやりましょうよ、というより日工組は日工組でやるべきだと思っていますし、規則改正はいつになるかわからない。賞球4個になった時に当然売り上げが落ちるってことになると客が減る。それを補うという事は、早急に考えれば、1円のベースが上がったら1円の営業がきつくなってくると思うので、1円のお客さんを4個賞球、ベースの上がった機械に持ってくるのにどうするかというのが一番。セットものとかは多分新しい客になるので、4円のマックスで逃げていった分、1円に残ったものを4円に持ってこないと、簡単に言いますが売り上げ的には1円を4円に持っていった方が具体的には大事なんだろうと思いますので、その目的で機械をどう作るか、という話だと思います。

藤田:新しい台が出てきたとしてもお客様が付くまではしばらくは時間がかかるだろうという事も含めて、まずは1円から4円に持ってくるというのがひとつのポイントという事ですね。

時間も少なくなってきましたので、今後業界として取り組んでいった方がいい、個店は個店で、個社は個社でがんばっていくというのがあるんでしょうが、業界全体としてこういう事をやっていった方がいいんじゃないかという事を、最後に話をさせていただきたいと思います。荒籾さん、業界としてこれを徹底的にやった方がいい、というような事はありませんか?

次のページへ >

-業界ニュース
-