【PICK UP】「新しいぱちんこ遊技機の活かし方」/PCSAパネルディスカッション

山口:以前もありました甘デジコーナーというのを、日工組の中で統一しようかとか、シールを貼ろうとか。今、遊パチマークがついているものはありしますが、例えばセル版をピンクに統一しようかとしても、色々なキャラクターがあったりしますので、合うもの、合わないものがあります。

難しいのは、100分の1の甘デジといいながら、実際に打ってみると200回、300回当たらない。そしてベースが10いくつしかなく、打った人はこれがどう甘デジなんだという風になってしまいます。そういう事を含めて、確率で語るのではなく、ベース値30だとか40だとか、そういうところでカテゴリーが出来た方が、伝わりやすいのかな。確率の抽選で100分の1だから甘いです、でも300回当たらなかったらこんなに使っちゃいました、という風にさせてしまう機械づくりを考え直さなきゃいけないんだろうな、という風に思っております。

それをどうやって打つ側に伝えていくかというのはまだ課題になるかと思いますが、お店を経営されている方々と協力しながら液晶に何か出すとか、一部分かりやすいものを載せようとか、島のつくりをそういう風にしようという事を話し合いながら決めていかないと、中々伝わっていかないものなのかなと思います。

大石:お客さんにとってはこの機械がいくらかかるか分からないので、それがある程度のレンジで入っていくのが何パターンか欲しいですよ。それだったら、売れると思うんです。

これは業界に入った時にある方がそういう風なホールを目指したいと20年前に言ったのをずっと覚えているんです。それに共感して今でも思っています。お客さんがいくら使ったらいいか分からないというのはおかしいですよね。

そういう事が出来れば、コーナーごとに色々な展開ができると思うのです。それで、ホールによって、商圏によって、比率を増やしたり減らしたりできると思うのです。そうすると、売り方というかお客さんのアピールの仕方が若干変わるのかなと思います。今、確率だけの問題でいくと、先ほどおっしゃっていたように、100分の1だって1万円、2万円になることがあります。それではお客さんによっては分からないと、そういう風になったらいいなと思います。

藤田:今回の新しい機械になってくれば振れ幅が今までより中心値に近くなってくるという事が起こって来れば、今、大石さんが言われたような、これなら5,000円である程度遊べる、1万円でいけるんじゃないかとか、コーナーづくりも今までよりもしやすくなるんじゃないかと思いますが。実際にそういう表示はお店としてもやっていけるんでしょうか?

大石:実際やっていけるかどうかは別として、そういう風な方向になったらいいなと思います。それはお客さんの経験値もあるでしょうし、ある程度の事は言えると思います。表示しているホールさんが出てもいい。可能性として色々な事を探ってもいいんじゃないかという話です。実際にやれるかどうかは別ですが。

藤田:荒籾さんどうですか?

荒籾:全国いろいろなホールを見させていただく中で、1店だけ、このコーナーは30分で5,000円くらい消費します、このコーナーは30分で3,000円くらい消費しますと、はっきり謳っている、定点的に見ているホールがあります。埼玉で有名なホールですが、非常に分かりやすくて面白い発想だなと思います。

藤田:ユーザー目線で考えた時に非常に分かりやすい施策ですよね。

大石:各論になってしまうと面白くないですので。僕が言いたいのは、お客さんにとって何か、という話が起点に無いと、せっかく遊技機をどうしようかとまじめに考えているので、そっちの発想にしてくれたらいいなと思います。

藤田:例えばそれが価格の表示であったりと。

大石:ユーザーの目線に立ってどうなのかということから発想しないと、確率がどうとか、図柄がどうとかの各論になってくるので、そっちの方から入っていかないともったいないな、という話です。

藤田:それではちょっと話を変えまして、今後のベースの問題それから今後の賞品提供についてというところなんですが。ベースについて先ほど渡辺さんの講演の中でもありましたが、基本的に30を超えるようなものが基準になってくるという判断でよろしいでしょうか?もっと高いベースのようなものは出たりしますか?

渡辺:ベースの事で言うと、2種だと羽根の拾いもベースに入りますので、当然それなりのものが出て来ると思います。基本的に昔の一般機じゃない限り40を超えるものは無いでしょう。せいぜい40を超す程度。要はベースが高くなれば高くなるほど、大当たりの玉が出せない事になりますから、30~40くらいじゃないですか。あまりメーカーさんは今すぐ高いものは考えないと思います。

藤田:利用する立場で、荒籾さん、どのくらいが使いやすいベースなんでしょうか?一つだけじゃないでしょうが、このコーナーだといくつくらいとか、一番下が30くらいになってきますが、それ以外に使いやすいのはありますか?

荒籾:よくお客として打ちますが、最近話題になっているので、スタート以外に入るのか目線が行くのかなと考えると、実際にはあまりそっちの方に目線が行っていないのが事実です。要するに客目線の感覚ではスタート以外に玉が入るというより、逆にスタートを5個賞球とか6個賞球にした方が、ベースも上がっていいのかな、という疑問は持っています。

藤田:スタート賞球が増えた方が使いやすいという事ですね。この辺り、山口さんどうでしょうか。先ほど渡辺さんから3個のところを4個にという話がありましたが。

山口:そういう数字、ベースが30とか40というのは、その後の大当たりでどのくらいの玉を出すのか、という所とかみ合わないといけないと思っています。それがうまくかみ合ったところがそれぞれの機械で使いやすい機械なんだろうと思います。

実際、今でいう台ベースと言っている部分、他穴ですね、入りやすくしている機械を実際に打ってみると、今までの感覚よりは少し長く遊べるなと感じます。現実問題、30とかそこを超える、払い出しが4個、5個になってくると体感的には随分変わってくるんだろうなと思っています。

藤田:その様な機械はファンから言ってどうなんでしょうか?過去いわゆる等価交換に向かった時というのは、いかにベースを落として、その分大当たり時、TYをどれだけ大きくするか、という所に走った時期があったと思うんですが、逆にそれがためにやめてしまったファンも多いんじゃないかといわれています。それをうまくやればファンも戻ってくるんでしょうかね?

山口:何度か技術委員会で話し合いながら、技術委員会といっても各メーカーの開発責任者が集まっている技術委員会なんですが、どうすればお客さんがホールさんに来ていただけるんだろう、そういう機械を私たちは考える使命があります。

ある方が、これなら絶対行くな、と言ったのが「絶対勝てるパチンコ」。それなら絶対行くと。例え1,000円でも3,000円使って4,000円になるなら絶対行くと。それは不可能な話なので、どうやってお客さんが勝てそうだとか、儲かりそうだとか思ってもらえるような機械にしていくか、そこが肝心なんだろうなと。

そのために機械はどうするんだというところですが、ベースが上がってホールさんも等価から交換率を変えて頂いているんですが、それがお客さんの遊べる時間、金額等。これは年々、経済状況によってお小遣いの金額も変わってきますので、その感覚と、遊べる時間と、勝てそうかなと思える玉数がうまくあった所を探せると、もう1回お客さんに「パチンコ店って面白いね」と思っていただけるんじゃないのかなと思っています。

藤田:ありがとうございます。色々なタイプのお客さんがいる中で、パチンコホール全国に1万店以上ある中で、もっとカテゴリーが分かれてもいいんじゃないのかなと。今言われた時間だけで言えば、1日ゆっくり遊べる。1日全部とは言わなくても4~5時間ゆっくり遊べるタイプの店から1時間、2時間が主流の店という分け方もあってもいいんじゃないかと可能性としては思うんですが、その辺り、運営しているホールさんはそういう店づくりってありますかね?そこまで大胆な。

大石:それはあると思います。その中で競争していくのが望ましいですし。将来どうなるかわかりませんので、可能性としてはありですし、お客さんにとっては色々なタイプのお店があることは望ましいです。低玉がまだ消えるとは思えませんし、色々なタイプの店があって、それがその会社の企業力だとか、中の体質だとかとかによって、提供できるものが変わってくると思うのです。企業努力で色々なタイプが出て来るのは、お客さんにとっても望ましい店だと思います。

藤田:今回、ある意味大きな転換期に来ている中で、そういうようなところが出てきたら面白いなと、リスクが無いから言える話だと思うんですが。トライするところはありますかね。

大石:機械の情勢もありますし、そういう風になるのが僕は望ましいと思いますし、そうなるような機械を望みますし、そういう事をメーカーさんにも望みます。さっきの話ですが、現状はホールが儲かる機械がいい機械なんです。それを少しづつでも反省しないとそういう事は実現しないと思います。

藤田:今後、新基準機と旧基準機が混在する時期が出て来ると思うんですが共存できるんでしょうか、という質問がありました。どうなんでしょうか、高射幸性の機械が外れ、そこそこの機械が必要だと思うんですが。またベース値が違う機械がしばらく続くとは思いますが、荒籾さん、この辺はどう思いますか?

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