全日遊連は7月24日、都内港区の第一ホテル東京で全国理事会を開催した。
理事会では暴力団対策特別委員会の委員構成を上程し、9名の委員を承認した。報告事項では、21世紀会が発出した産業パーパスや遊技機の不公正な販売方法に対する具体的対応の他、神奈川県警が21世紀会に協力要請した中古パチスロ機等の適正流通に関する報告等があった。
これまで不公正な遊技機販売を巡っては、全日遊連が当該機種の販売方法に関する実態調査結果を各遊技組合に発出し、メーカー団体には文書で是正を求めてきた。理事会後の会見で阿部恭久理事長は「メーカーの抱き合わせ販売はそれだけでホール負担が大きくなり収益を圧迫する。それにより店舗も減り、メーカーも売り場が減っていくという悪循環は業界にとって大きなマイナスで、業益を上げるためにも確実な情報があればそれを元にメーカーに是正要請していく。『一部の社員がやった』という回答はまったくの屁理屈でしかなく、企業としての答えにはなっていない」と今後も引き続き情報提供を求めていくとした。
中古パチスロ機等の適正流通に関しては、廃業店から買い取ったパチスロ機を改造して違法賭博店に提供する「機械屋」と呼ばれるブローカーが逮捕された事案を受け、神奈川県警から適正流通の協力要請があったと報告。阿部理事長は「機械屋は廃業店の情報を集めて実際に遊技機を買い取り、市場外に持ち出している。一番望ましいのは使用済み遊技機がメーカーへきちんと戻ることだが、市場外に使用済み遊技機を出さないような仕組みがなければ、最終使用者のホールが排出者責任を負うことにもなる」と危機感を示した。
その他、今夏新たに「酷暑避難場所ポスター」を製作したことも報告。これは政府が熱中症対策強化の一環として気候変動適応法に基づき、市町村が指定する施設を避暑のための「クーリングシェルター」として開放することを義務付けたことを受け、独自に酷暑避難場所として組合員ホールを提供してもらうために執行部が検討した。特に暑さを感じにくい高齢者層に向け、気軽に涼んでもらえるスポットとして広報していくという。