旧規則機の撤去排出を検証【遊技機メーカーの意識改革】

◆課題はリユース拡大
さしずめ求められる日工組指定業者への搬入強化

目下、部材不足の影響により、需要に生産が追いつかず、生産台数が絞られる状況が起こっている。結果、遊技機の中古価格は目を剥くような高騰ぶりだ。

部材不足の補完をめざすリユース部材調達に動きは2021年の春あたりから、にわかに活発になっていた。「半導体」を筆頭に、ナイロンを原材料とする「コネクタ」や「ハーネス」、それから「LED」関連部材など、リユース需要が一挙に高まった。もっと早い段階からリユースが定着していたのなら、ここまで中古価格が高騰することもなかったかもしれない。

現状のリユースは日工組指定業者の受託部分が大半を占めている。このためリユースの一層の活性化には、さしずめ日工組指定業者への搬入強化が必要だ。また日工組指定以外の指定業者によるリユースの拡大も課題になるだろう。すでに述べたように日工組指定は現在4社。北電子が従来から利用している前出の遊リ協指定は13社だ。いずれも遊技機リサイクル推進委員会(※)が適正処理能力を認めた「選定業者」に選ばれている。

◆処理負担をめぐるメーカー間の格差是正も課題

さて、6月14日に行われた日遊協総会時の行政講話で警察庁生活安全局保安課の小堀龍一郎課長が次のように指摘した。

「これまでも遊技機メーカーを中心に廃棄システムが整備されてきていると承知していますが、それが果たして万全なものになっているか、いま一度検証の上、引き続き必要な対策を講じられることを期待しています」

使用済み遊技機はすべてがすべて選定業者に搬入されているわけではない。ホールから高値で買い取る非選定業者へ流出している部分もある。また一部とはいえ日工組や遊リ協の回収システムから距離をおく遊技機メーカーもある。ホールから排出される使用済み遊技機は排出者責任で処理すべきとする考え方だ。しかしシステム加盟メーカーは、ホールから排出されたものであっても、自社製については、運送費はじめ、解体等にかかる処理費を負担している。非加盟メーカーはしていない、格差が生じている。

「果たして万全なものになっているか」――

小堀課長が疑問を呈するのも当然だ。

問われているのは格差の是正だ。確かなリユース技術を持つ選定業者への回収をいかに増やし、非選定業者への流出をどう防ぐかも喫緊の課題だ。直面する世界的な部材不足の中で、ホール営業の根幹をなす新台入替の足を引っ張る阻害要因を排除するためにも、さらなるリユースの活性化は必要不可欠といえる。

※遊技機リサイクル推進委員会……全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商、愛材協の業界7団体構成。日遊協が座長を務めている。

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