旧規則機の撤去排出を検証【遊技機メーカーの意識改革】

◆さらに「Let’s倉庫整理キャンペーン」と題した先下取りで早期排出に拍車を

入替負担を抑えながら早期排出を目指す取組みが着々と浸透する中、2020年4月頃からは新たな動きも出てくる。検定切れ・認定切れ遊技機を早めに排出してもらうために打ち出したのは「Let’s倉庫整理キャンペーン」と題した先下取りだ。倉庫に保管している遊技機をメーカーが買い取る代わりに値引き券を発行し、発行した値引き券は将来の新台購入時に適用できるといった従来の遊技機の買取りにオプションを付けた。

当時のことを京楽産業.㈱ 営業管理部の鈴木雅爾氏は「新台販売時の下取値引きについては、以前から多くのメーカー様がキャンペーンとして採用しており、ホール様にも浸透しておりました。新台販売時の下取り用以外で遊技機の早期排出をすることには、ためらうホール様も多くいらっしゃいましたので、こうした新台販売時以外でもホール様にとってお得になる値引き券をオプションとして付けることでメリットを感じてもらい早期排出に繋げました」と話す。

このような買取回収強化と並行して各社ホームページではバナーも掲載し、営業時にチラシを配布する「人」とホームページの「デジタル」の力でアプローチし、啓蒙に努めた。

Let’s倉庫整理キャンペーン

メーカー各社が行った積極的な撤去支援策のひとつ「Let’s倉庫整理キャンペーン」

また、㈱三洋販売は自社独自の対策として営業社員にセミナーも実施している。「2021年10月には遊技台の廃棄について営業社員が正しい知識を有しているかアンケート調査を行いました。自社機の廃棄について正確に認識し、担当の法人様やホール様、また代行店に対し、保有していても意味のない機械は一日も早く廃棄してもらうよう働きかける為のセミナーも二日間開催しています」と振り返り、その結果として2020年、2021年共に販売台数とほぼ同台数を廃棄する事ができたと総括した。

◆北電子は日工組の広域回収システムを併用

2021年9月になると団体間の垣根を超えた対応として、日電協加盟メーカーの㈱北電子が日工組の回収システムを利用して買取回収したことも注目された。非加盟である日工組にシステムの活用を打診し、旧規則機ジャグラーなど約26万台(同年7月末時点)を買取回収した㈱北電子は、パチスロ旧規則機の適正処理に大きな貢献を果たしたといえるだろう。

日工組の回収システムは環境省認定の「広域認定制度」に基づくものだ。日工組では2010年に取得した。本来、廃棄物の回収・リサイクルには都道府県ごとの許可が必要だが、環境省では、製造者責任のもと、複数以上の広域から回収し、リサイクル処理にあたる率先した取組みについては、広域認定制度という優遇措置を適用し、許可の一元化を図っている。

もっとも実際のリサイクル処理は日工組が適正処理能力を認める指定業者への委託方式をとっており、現在までにユーコーリプロ(福岡・埼玉・愛知)、リサイクルテック・ジャパン(愛知・茨城)、中部第一輸送(愛知)、エコフレンドリー(大阪)の4社が指定を受けている。北電子は日工組に加盟していないが、パチスロでは最大の設置規模を誇っていた『ジャグラー』の適正処理を完遂するため、従来活用していた「遊技機リサイクル協会」(以下、遊リ協)の回収システムに加え、日工組の広域回収システムを併用した。

先に触れた日工組メーカーの取組み、そして北電子が実施した団体間の垣根を越えた取組みは、旧規則機の撤去への関心をぐっと高める大きな弾みとなっていたのはまちがいない。関心の高まりがあったからこそ、業界全体に意識改革が進み、適正処理をやり遂げることができた。

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