まず同氏は、釘問題の是正に向けた日工組としての4段階の取り組み行程の詳細を説明。それぞれ「現行設置機種においては日遊協が主体の勉強会で行ったBY3の状態が第1段階」「第2段階が1/320以上の遊技機の持ち込み開始」「第3段階がきれいなゲージ構成での保通協試験への持ち込み開始(本年11月から開始)」「第4段階が、第3段階を実施した上で、大当たり継続率が65%以下の設計での保通協試験への持ち込み開始(来年2月頃の予定)」とし、各ステップを経て、釘の正常化を目指していると話した。
日工組ではこの内容等を9月中旬までに行政当局へ報告。その後、10月に入り現行設置パチンコ機を調査し、検定時と異なった状態で出荷されている遊技機の存在を確認したと説明。これを受け同組合では、「根本的にゲージの設計および仕様の設計値を見直していく必要がある」として、「釘が従前よりまっすぐな状態で検定が得られるように努めていく」こととした。
今後について同氏は「遊技機回収について日工組では今後、社会に対し遊技機開発の方向性を伝える声明文を出し、回収に関するスケジュールを示せれるように、近々に発表できるよう準備を進めている。そのスケジュールに沿って大当り継続率65%以下の機械が出揃ってくるのが望ましい」と述べ、日工組内で声明文を作成し、その中でパチンコ機の回収スケジュール等を発表する予定とした。
セミナーに先立ち余暇進の笠井聰夫代表理事は「娯楽産業での肝要な点は、なんと言っても信用・信頼が大事である。昨年来、警察庁のご指導を頂きながら、のめり込み対策や高射幸性遊技機に対する措置など、パチンコ・パチスロの基本に係る課題に取り組んでいる。長く住んできた住まいは愛着があり快適であるが、折々に点検や手入れをしなければ保てない。点検、手入れの際には不自由をするが、再び快適な暮らしをしていくためには必要な事である。今、業界として取り組んでいることや、今後業界ではじめようとしていることは、これに類する取り組みであろう。業界を挙げての真摯な取り組みは必ずやファンの理解、社会的認知の向上、または業界の再生発展につながるものと確信している」と挨拶した。なお同セミナーには、同協議会の会員を中心に189名が参加した。
写真説明:日工組の渡辺圭市技術担当理事
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