次に、遊技機の不正改造事犯等の絶無についてお話しします。
昨年からも変わらず、ぱちんこ営業所において遊技くぎを曲げて検定機と異なる性能を創出する事案は、未だに継続して発生しており、本年も複数の検挙事例があります。これまでにも、そのような事案は射幸性の適正管理を侵害する悪質な不正改造事案であると繰り返し申し上げていますが、依然として、客寄せ等の営業者の身勝手な都合により、くぎを曲げる事案が後を絶ちません。くぎ曲げについては、引き続き厳しく取締り等を行っていきますが、貴協議会におかれましては、引き続き正しい認識を全国の会員に理解していただくよう周知徹底を図ることはもとより、業界全体をリードして、こうした問題の絶無に向けて取り組まれることを期待しています。
このほか、悪質巧妙化している不正改造については、これに対処するため、ぱちんこ営業者、製造業者という垣根を取り払い、事案の情報共有や有効な防止対策を業界全体で模索し、効果的な施策をより一層推進していただきたいと思います。
また、推進機構の活動については、業界の健全化に欠かせないものとして、その役割の大きさを皆様方も実感していることと思います。推進機構は、活動開始以来、立入検査店舗数が昨年度末までに延べ33,000店舗を超え、また、検査台数も約24万台を上回るなど、精力的な活動を継続しているところです。新型コロナウイルス感染症の影響で、立ち入り件数が減少していると伺っていますが、それでもなお、いまだに不正改造等の容疑が認められたとして都道府県警察に通報がなされた事案が散見されますので、業界として引き続き緊張感を持って不正改造の絶無に向けた取組の推進をお願いします。警察といたしましても、今後とも、推進機構と積極的に連携しつつ、不正改造事案に対しては、厳正な取締り等を推進していきたいと考えています。また、推進機構においては、先ほども申し上げたとおり、昨年からぱちんこ営業所における依存防止対策の実施状況調査を実施するなど、様々な面で業界の健全化に貢献していると考えられるところ、引き続き、業界全体で推進機構の活動への協力・支援をお願いしたいと思います。
次に遊技機の流通における業務の健全化についてお話しします。
遊技機の流通については、その過程において型式の同一性が担保されるよう、中古遊技機については、中古機流通制度に基づく取組が着実に実施され、新台設置や部品交換については、「製造業者遊技機流通健全化要綱」等が制定されて以降、業界における制度の理解も促進されていると伺っています。一方で、遊技機の部品を正規の部品以外に無承認で変更したことが疑われる事案等が後を絶ちません。今一度、製造業者、販売業者等の遊技機の流通に携わる関係者の皆様方が、それぞれの場面で適切な点検確認等を実施していただき、その過程において型式の同一性をしっかりと担保していただく必要があります。特に、製造業者等が作成する「保証書」については、製造業者等が、設置確認や点検確認をする前提で、遊技機の型式の同一性を疎明する書類として発行しているものですので、今一度、遊技機の流通に携わる関係者におかれましては、こうした点を含め正しく制度を理解した上で、取組の継続をお願いします。
次に、ぱちんこ営業の賞品に関する問題についてお話しします。
まずは賞品買取事犯の根絶についてです。
賞品買取行為の規制違反は、本年においても既に複数の事案の検挙が見られるところです。賞品買取行為の規制は、ぱちんこ営業と賭博の一線を画す上でも重要な規制であり、ぱちんこ営業の根幹に関わるものであることから、警察といたしましても、賞品買取事犯に対しては引き続き厳正な取締りを行っていくこととしていますが、貴協議会におかれましても、今一度、営業者一人一人にまで、賞品買取行為の規制の重要性について周知徹底していただきたいと思います。
次に、賞品の取りそろえの充実及び適切な賞品提供の徹底についてです。
平成18年にぱちんこ営業者関係5団体によりなされた「ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実に関する決議」について、今一度、この決議の重要性を認識し、各営業所において、自身の店舗の状況を再点検した上で、不十分な場合には早急に見直しを行うなど、貴協議会が本取組について業界をリードしていただきたいと思います。
そして、適切な賞品提供の徹底についてです。
ぱちんこ店における賞品の提供については、等価交換規制が設けられていることは皆様方も当然ご承知のことと思いますが、今一度、各ぱちんこ営業者にあっては、自身の営業所の賞品が遊技球や遊技メダルの数量に対応する金額と等価の物品と交換されていなければならないこと、いかなる遊技機、賞品であっても例外なくこの規制に従って提供されていなければ法令違反となることを認識いただき、この規制についても遵守徹底をお願いします。