回収対象機 年内撤去は警察の要請/警察庁保安課・津村課長講話

次に、一般社団法人遊技産業健全化推進機構の活動についてです。

推進機構は、本年8月で設立から10周年を迎え、現在では、業界の健全化に欠かせないものとして、その役割の大きさを皆様も実感しているところではないかと思います。活動開始以来、立入検査店舗数が本年度上半期末時点で2万3千店舗を超え、検査台数も実に16万6千台に上る実績を有することに加え、この立入検査を端緒に検挙に至った事例も多数あり、様々な形で成果を挙げております。このような有意義な取組である推進機構の調査に対する業界の理解は、徐々に深まってきていると感じておりますが、一方で、いまだに推進機構の活動に対する理解が低い営業所もあると聞いております。

推進機構の活動が効果的に行われるためには、推進機構に対する各店舗ごとの理解が不可欠でありますので、立入検査を拒否したり、妨害したりするような行為は、不正改造の根絶を目指す業界全体の取組に逆行する行為であるとの共通認識を更に広め、業界全体で不正改造の根絶を目指す気運を高めていただきたいと思います。警察といたしましても、引き続き、推進機構と積極的に連携しつつ、不正改造事犯等に対し、厳正な指導・取締りを推進してまいりたいと考えております。

次に、いわゆるのめり込み問題を抱えている方への対策について、お話しさせていただきます。

まずは、昨年、21世紀会において策定していただいた「パチンコ店における依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」及び「同運用マニュアル」についてです。ぱちんこ店におけるのめり込み問題については、射幸性を伴う遊技を提供して営利を得る立場にある業界において、自ら積極的に取り組むべき課題として、対策が進められることが重要だと認識しております。この業界を挙げた取組の目的は、のめり込みを未然に防止し、また、のめり込んでしまった人が抱える問題の解決に寄与するとともに、その家族を始めとした関係者の理解を得ることでもあると承知しておりますが、その実現には、このガイドライン等がどのように現場で運用されているかが重要であると考えております。実際にガイドライン等を運用していく営業所の現場への指導教育に力を入れていただくことに加え、必要があれば、ガイドライン等を更に実践的なもの、効果的なものに改定していくことも視野に入れるなど、今後とも適切なフォローアップを随時実施していただきたいと思います。

次に、認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワークについてです。同法人に寄せられた平成27年中の電話相談件数は2,967件であり、依然として電話相談を必要としている方の存在がうかがわれる状況にあり、引き続き、業界全体で同法人を支援していく必要があります。全国遊技機商業協同組合連合会において、リカバリーサポート・ネットワーク支援室を立ち上げ、相談業務の負担軽減に寄与していると承知しており、のめり込み問題への取組の重要性が業界の中でも浸透してきたとして、大変心強く感じております。貴団体におかれましても、引き続き、広報ポスターの掲示等、営業所内外における広報啓発等の取組を推進することで、ぱちんこ遊技へののめり込みの問題を抱える方に対し相談窓口の門戸が開かれていることの認知度を高めていただくとともに、同法人の事業活動に関する負担を考慮し、更なる支援をお願いいたします。

のめり込み問題は、ぱちんこ遊技の負の側面と言われることもありますが、この負の側面から目を背けることなく、問題解決に積極的に取り組むことが業界の社会的責任であることを自覚していただき、先にお話しした射幸性の抑制に向けた取組と相まって、引き続き業界全体で真摯に対応していただきたいと思います。

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