全日遊連は7月17日、都内港区の第一ホテル東京で全国理事会を開催。
依存問題への対応の現状報告を行い、組合員の依存対策実施状況調査を実施することを伝えた。リカバリーサポート・ネットワーク(以下、RSN)の告知ポスターの掲示状況や安心パチンコ・パチスロアドバイザーのホールごとの人数などをインターネットでアンケート調査する。
理事会後の記者会見で、阿部恭久理事長は「業界の第三者機関『パチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議』の中間答申で、個々の取り組みの達成状況を客観的に示すデータが不足しているとの指摘を受けたため、一斉調査をすることにした。内容はほぼ固まっており、準備が整い次第、実施する」と述べ、これを契機に、今後は同調査を定期的に実施していく意向も示した。
また、遊技産業健全化推進機構による全国のホールの依存防止対策実施状況調査の現状にも言及。警察庁からヒアリングが必要な調査を求められたことから調査項目や方法を再検討していたところ、健全化推進機構から、8月までに検査項目を明確にしてほしいとの要請文がパチンコ・パチスロ産業21世紀会宛に届いたという。
さらに阿部理事長は、依存問題に関わる民間団体への支援を拡充するため、全日本社会貢献団体機構とは別に一般社団法人格を持った社会貢献団体を設立すべく、検討中であることを明かした。全日本社会貢献団体機構の組織を再編するよりも、新団体を設立した方が手続き的にも他団体に協力を求めていく上でスムーズだと考え、設立後は全日本社会貢献団体機構の事業を徐々に移行し、将来的には新団体に一本化する方針。
そのほか、消費増税への対応について、6月20日に全日遊連としての提言を各都府県方面遊協に配ったことを報告。「消費税を適正に加味したうえで、市場価格との等価となる個数(枚数)で交換する」「出玉率100%以上の営業形態確立を目指す」「業界全体で、顧客が手軽に安心して遊べる遊技環境を整える」「ホール経営の安定化を図るための施策の一環として、貯玉・再プレーシステムの見直しを図る」ことなどが書かれているとして、「それを参考に、各都府県方面遊協で議論してほしい」と語った。
なお、当日はRSNの「2018年ぱちんこ依存問題電話相談事業報告書」も配布。2018年にRSNが受けた相談電話は5795件(前年比872件増)で、1年間の相談件数では2006年の開設以来、最多件数となっている。