全日遊連は5月17日、都内港区の第一ホテル東京で全国理事会を開催。依存問題への対応の現状報告を行った。
報告したのは、(1)パチンコ・パチスロ産業21世紀会により昨年12月に発足したパチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議から、業界における現行の依存問題対策全般に対する中間答申を受け取ったこと、(2)業界の「依存問題対策要綱(仮称)」の叩き台を全日遊連が作成すると21世紀会で決定したこと、(3)5月14日に都内中野区のなかのZEROで行われた「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム」の開催結果の3点。
有識者会議の中間答申は、業界の現行の依存問題対策全般を評価するよう、1月24日に21世紀会が有識者会議に諮問していたことを受けたもの。その後、有識者会議では検討を重ね、中間答申を4月25日に21世紀会に提出していた。理事会後の記者会見で、全日遊連は、総じて肯定的に受け止められたとした。
業界の「依存問題対策要綱(仮称)」づくりは4月19日に閣議決定したギャンブル等依存症対策基本計画に盛り込まれている事項。依存防止対策に係る実務規定を2019年度中に制定・公表することとなっているが、5月10日の21世紀会で、まず、全日遊連が叩き台をつくることになった。
依存問題フォーラムはギャンブル等依存症対策基本法で定めるギャンブル等依存症問題啓発週間の取り組みとして企画した催しで、定員500人の会場が業界向けの第1部はほぼ満席、業界外向けの第2部も満席に近かったことを報告。
阿部恭久理事長は14団体が一つにまとまって実施したことの意義を強調した。ただ、テレビ報道の(「業界は、ギャンブル依存の真の原因は職場や家族などにあり、パチンコを取り除いても解決につながらないなどとした」という)伝え方には遺憾の意を表した。
そのほか、阿部理事長は、旧規則機の取扱いの中で今年12月末までに撤去することとしている「2018年2月1日の改正規則施行日前に認定有効期間を満了し、現在も設置し続けている比較的、射幸性の低い遊技機」について言及。「期限を過ぎても外れていない場合は、行政の力を借りるしかない」との認識を示した。
なお、当日は全日本社会貢献団体機構の2019年度通常総会も同ホテルで開催。今年度はパチンコ・パチスロ依存問題の予防と解決に取り組む4団体への特別助成を含め、24件(前年度比1件増)、4,890万円(同550万円減)の助成をすることを承認した。