余暇進は、政府(内閣官房ギャンブル等依存症対策推進本部事務局)が作成する「ギャンブル等依存症対策推進基本計画(案)」に対し、3月25日付けでパブリックコメントを提出。基本計画で、パチンコ営業に過度な規制を新設することに反対した。
パブリックコメントの中で同協議会は「基本計画案は、規制の根拠がなく、内容が過剰」とし、その理由について「ギャンブル等依存症の定義が不明確」「パチンコ依存者のデータが不明確」「基本計画案による制約が比例原則(=目的と、権利及び利益の制限との間に均衡を要求する原則)に反する」「(公営ギャンブルに比べ)パチンコは射幸性が低い」点を挙げた。
その上で、基本計画案がパチンコ業界及び営業者に求めた依存症対策の各方針に対し、同協議会の考えを展開した。主な内容は下記の通りとなる。
◆広告宣伝について
・業界側の取り組みを規制するのであれば、パチンコ依存者の実態を正確に把握し、広告宣伝と依存症の因果関係を究明した上で行うべき。
・広告宣伝に関する全国的な指針の策定を業界側に求めているが、広告宣伝は条例で規制されており、業界側も県遊協単位で対応しているのが現状のため、全国的な指針の規定は不要。
◆アクセス制限(本人の同意のない家族申告による入店制限)
・実施する場合は、本人に事前告知して反論の機会を与えたり、本人の同意を得ることを原則とすべき。
・本人への事前告知がない場合、家族への暴言・暴力、営業者への暴言・暴力・信用棄損行為等のトラブルに発展する恐れがある。
◆アクセス制限(顔認証システムの活用)
・個人情報保護法等に抵触する恐れがあり、本人の同意なく家族申告により運用する場合は、その恐れがさらに高まり、導入を求めるには慎重な検討が必要。
◆身分証明書による年齢確認の実施について
・18歳未満と思われる者への年齢確認は、身分証明書にて既に行われているため、基本計画でさらに規制する必要はない。
◆施設内の取り組み(ATMの撤去)
・基本計画案には、ATMと依存症の因果関係についての説明がない。
・パチンコ営業所のATMは、店外の通常のATMと比較し、のめり込み対策を盛り込んでいる。
・客がATM取引以外でも資金調達できる公営ギャンブル等のATM撤去と、パチンコ営業所のATM撤去を同じ俎上で迫るのは、行政としての公平性を著しく欠くものである。
・以上の理由から、パチンコ営業所のATMの撤去を推進することは不合理で誤った規制。
◆施設内の取り組み(デビットカードシステムについて)
・ATMと同じく、依存症との因果関係の説明がなく、のめり込み対策を対策も盛り込まれており、撤去を推進することは不合理で拙速。
◆出玉規制を強化した遊技機の普及
・改正規則及び遊技機規則の射幸性基準そのものの適法性ついて疑義があり、再考すべき。
◆出玉情報等を容易に確認できる遊技機の開発
・当該遊技機が導入される場合、各規則に準拠した営業がなされていることが容易に確認できることから、保通協や機構等の不正検査組織が不要または大幅に規模縮小することになり、当該組織に係る費用負担の大幅な削減が行われて然るべき。
◆パチンコにおける相談・治療につなげる取り組み
・パチンコ業界は、他の公営競技と比較しても積極的に依存問題の予防及び解決に取り組む団体等への助成を行っており、その負担額は年々増加している。それにも関わらず、基本計画案では、重層的かつ多段階的な取り組みを推進し、その実績について報告書を作成・公表することを要請しており、業界がさらなる費用負担を迫られることが容易に想像され、行き過ぎた規制。
◆パチンコにおける依存症対策の体制整備
・各取り組みの効果が不明なままに基本計画で取り組みを強いることは不当であり、業界の自主的な取り組みに任されるべき。