東京都の受動喫煙防止条例案に対し意見書提出へ/東京都遊協

東京都遊協(阿部恭久理事長)は9月28日、都内新宿区の遊技会館で定例理事会を開催。東京都の受動喫煙防止条例案に対し同組合として意見書を提出することを決めた。

2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた環境整備の一環として東京都がまとめた「東京都受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方」では、パチンコホールを含む娯楽施設は「原則屋内禁煙(喫煙専用施設)」とされており、東京都遊協では「パチンコ産業や文化そのものの存続に甚大な影響がある」との考えから、パチンコ業界を取り巻く実情や同組合としての要望を記した意見書を提出する。

現状、遊技者の喫煙率が50%を超えると言われるなか、業界側では全面禁煙店舗、分煙店舗、全面禁煙だが加熱式タバコのみ喫煙可の店舗など、各ボールが様々な対策をとっている。

また既に受動喫煙防止条例が施行されている神奈川県、兵庫県でパチンコホールは、「喫煙率の高い世代の利用が多い」「条例で特に保護を要する妊婦や18歳未満の未成年者が、顧客として施設を利用することは想定されない」等の理由により受動喫煙対策の実施は「努力義務」にとどまっている。

こうした業界を取り巻く実情のもと、東京都遊協では「条例案の変更」と「条例施行に伴う想定される費用助成」を要望することとした。

条例案の変更では①神奈川県や兵庫県同様、「努力義務」とすること②加熱式タバコを“たばこ”の定義から外すことを求めた。また費用助成については、条例案がそのまま施行された場合、ホール施設内の構造変更を行う際に2週間ほど営業休止を余儀なくされるため、その間の営業補償や、喫煙専用室を設置できないことで廃業する場合の損失補償といった費用助成を求める。

意見書ではこのほか、東京都に加えて国でも健康増進法改正が検討されており、2重法規制となった際、その解釈などで業界側が混乱することや、東京都と隣接県との営業環境の不均衡による顧客流出の発生を懸念事項として挙げた。

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