POKKA吉田氏らをパネラーに迎え「射幸性」について議論――PCSA

PCSA(金本朝樹代表理事)8月21日、都内千代田区のアルカディア市ヶ谷にて、第14期第1回臨時社員総会・第53回PCSA経営勉強会を開催。

社員総会の冒頭、挨拶に立った金本朝樹代表理事は、任期中に山積した課題を解決したいとの意気込みを語ったほか、IR法案の審議が先送りとなったことについて「個人的には非常に残念。IR法案が議題に上がると、必ずこのパチンコ業界の法規制等あらゆる面で比較され、抱える問題と課題、今の不透明な換金制度、3店方式を守っていないホールの事実も明らかになる。信頼を上げ、国内で株式上場を可能にする非常に大きな節目であり、IR法案が審議されることで業界の課題もそれに合わせて早く解決することができるはず」との考えを示した。

議案審議では、遊技業界の現状に関連したPCSA声明を決議した。声明文によれば、「新基準」に該当しない遊技機の設置比率を下げるといった現状の議論は楽観的すぎると指摘し、遊技人口減少の最大の要因は高い射幸性にあるとした上で、業界が目指す方向は、高射幸性の遊技機そのものを市場から排除し、時間消費型娯楽の遊技機開発を徹底する必要があるとしている。ヘビーユーザーに依拠したホール営業の変革と、時間消費型娯楽・遊べるパチンコへの変革の努力を積み重ねてこそ、ユーザーのみならず社会と国民から肯定的な評価を得ることができると訴えた。これは、8月10日付で業界内外の関係機関約260箇所に声明している。

また、正会員からのアンケート結果を元に毎年類推している「PCSA DATA BASE 2015」では、パチンコホール売上高22兆4,512億円、雇用人数25万7,478人、法人税納税額1,012億とした。

経営勉強会では、「今、射幸性について考える」をテーマに、日工組の渡辺圭市技術担当理事、㈱ユニバーサルエンターテインメント執行役員マーケット戦略室の長谷川崇彦室長、POKKA吉田氏、PCSA法律分野アドバイザーの三堀清弁護士、PCSA副代表理事の大石明徳氏らをパネラーに招いたパネルディスカッションを開催。ホール・メーカー・組合といったそれぞれ環境が違う立ち位置から活発な意見交換を行った。

議題である射幸性については、交換率や機種に幅があった昔に比べ、今のユーザーは選択権が明らかに無いという声が多く聞かれた中、POKKA吉田氏は「一般論でいえば出玉性能に集約されるだろうが、私が思う射幸性は“楽して儲けられる現場”であるか否か。楽して儲けられているのであれば射幸性は高いが、今のホールは逆で客からみれば射幸性が低いのではないか」と主張。渡辺理事は「そもそもパチンコは射幸性が無い所からスタートしているが、ある程度のゲーム性が成熟して発達できなくなった時に射幸性を求めるというのが今までの傾向。そういう機械性能で言うと今はもう第一種では限界。射幸性が高いと言われているのであれば違うゲーム性でやらざるを得ない」と現状のゲーム性能に言及した。また、同氏は遊技くぎ問題に話題が及ぶと「今までファジーだったものがあまりにも酷くなったので指導された。市場の釘で保通協に持ち込めるくらいの体勢を作っていかなくてはならない。今後日工組が発売する機械に関しては、11月から販売されるものはある程度安心して使えるものをと考えている。正直者が馬鹿をみないように日工組でも文書で数字を出していく必要がある。ゲージ・設計値を見直しており、なるべく早く安心して使えるものを出せるよう準備に入っている」と日工組としての施策を説明した。

最後に業界がとるべき今後の対応についてPOKKA吉田氏は「業界が変わることが求められている。そのために、業界全体で議論し活性化させる必要がある」と強調し、さらにより良いマーケットにしていくためにも、ホールは機種選定の前に一度メーカーから全ての情報開示を求める必要があると現状における販売や購入に関する問題点も指摘した。

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