【コラム】激闘玉拾いオジサン(完結編)/CRAナカムラ

●CRAナカムラのぱちんこ泰然自若316
はい皆様ご機嫌麗しゅうっ!本日スタジオの外にタバコを吸いに出たら、強風と共に雪が散らついており…

( ゚Д゚)「これはアカン!」

と、即時退散を余儀なくされた謎のオッサンです。車に移動しかしないから、まだコートとか用意してない!

さてさて、今週は先週終わり切らなかったお話を締めなきゃならんので、大急ぎでこのまま本編に雪崩込みましょう。

捕獲した玉拾いオジサンが、そこそこ埋まってる駐車場に玉をブン投げ…そこらじゅうで「バチバチ!」と異音が鳴り響くと同時に、バイト君(アームレスリング近畿ベスト4)が玉拾いオジサンの腹部に前蹴りをかまし、ほぼほぼ1発KO。バイトを頑張って買ったばかりのとても素敵な車(紫全塗装のシャコタンチェイサー)に、玉が直撃していたらしい。

オジサンは警察を呼んで引き渡す予定だったが、これで判断が難しくなったぞ。

( ゚Д゚)バイト君危うし!

このまま警察を呼んだ場合、下手すりゃバイト君も一緒に連れて行かれることになりかねない…ってか、たぶんそうなるだろう。

しばし考えを巡らせていたが、そう言えばオジサンが倒れたまんまだった事に気付き、とりあえず安否確認。

(拾ΦωΦ)「カハッカハッ!」

うむ、息はある。だがしかし、様子がおかしい。

(拾ΦωΦ)Aaaaaaaah〜!!

フンバルトニュルンベルク!ブリュッセル!

壮絶な異音と共に、大人の人間としての尊厳を失う瞬間を目撃させられる悲哀。

……ええ、いわゆる脱糞というやつですな。悲しみの向こう側にイッたオジサンが呟く…

(拾ΦωΦ)「もう帰らせて…」

さてどうしたものか。

格闘家の端くれにおもっくそ蹴られた上に、これだけの辱めを受けたのだから、もう開放してあげたいところだ…臭いし。

だが、そうするとお客さんの車が破損していた場合に誰か責任を取る?玉拾いオジサンに賠償させるなら、当然警察を呼ばなければ話が進まないのは明白。

要は、バイト君を警察に差し出すか他のお客さんの車の賠償問題をウヤムヤにするか、二者択一。それにしても臭い。何食ったらこんな臭いになるのだろう。

判断に迷ってオジサンを見つめながら、考え込む刹那、、

(拾ΦωΦ)Nooooooh!!

まさかの追いブリュッセル。

ここでオジサンの中の何かが覚醒したようで、超人のような動きで自転車に飛び乗り逃走を図る…がっ!出口に辿り着く前に、突然店から出てきたお婆ちゃんと接触。がっしゃーーーん!

お婆ちゃんはフッ飛ばされ、玉拾いオジサンは前のめりに回転。お婆ちゃんは「痛い痛い」言いながらも、擦り傷程度な模様。片やオジサンは…アスファルトにセルフノーザンライトボムだったので、頭を押さえてうめき声を上げている。しかし本当の地獄絵図は下半身の方だったのは言うまでもない。

こうなるともう「警察を呼ばない」という選択肢はなく、バイト君にオジサンを制圧する指示を出すが、凄くイヤそうな顔をしていたのは覚えている。

その後、涙目で制圧役を代わってくれと懇願するバイト君の声は聞こえないフリをして、110番。警察と救急車の到着を待つ。

10分ほどでパトカーと救急車が駐車場に滑り込んで、晴れて制圧役を開放されたバイト君。しっかし警察の人ってこんな状況でも怯まないのは流石である。制圧の時に失禁や脱糞は、ままよくある話らしい。

敢えてバイト君の前蹴りは話に出さず、警察から事情聴取を受けるナカムラ店長。その後お婆ちゃんは救急車で搬送、オジサンはとりあえずパトカーに乗るが、まずは病院に向かうらしい。

で、その日の夜に警察から電話を受けて改めて話をした時、

(警・ω・)「蹴った?」

と聞かれたが、あくまで取り押さえようとした時のゴタゴタであると主張。まぁね、ウソは良くないけどね。玉拾いで捕獲された上にお婆ちゃんを跳ねたオジサン(withニュルンベルク)と、施設管理者の証言では信頼度が泡と魚群くらいの差があるワケで。

(警・ω・)「まぁしょうがないわな」

玉拾いオジサン自爆諸々により、奇跡の一件落着。

打っていたお客さん一人ひとりに必ず自分の車を確認してもらい、玉投げ被害があった場合は所轄に連絡を入れて貰えるように伝え、こちらとしてはお役御免である。オジサンが起訴されたのかどうか、弁済できるのかどうかみたいな事は感知していない。

ちなみにバイト君のハイセンスな紫チェイサーは、数カ月後の雨の日に民家の門柱に突っ込んで、本人は無傷ながら廃車になったというのはまた別の話である。

■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。

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