さて、これは今年になって、特に4月のスマスロ北斗の販促キャンペーンが目立ったときに強く感じたことなのだが「著名人がぱちんこやパチスロに対して積極的な発信をすることが増えた」「そういう発信に対してアンチ層のバッシングが目立たなくなった」ということがあるのではないだろうか。私自身、2020年からのコロナ禍突入時におけるぱちんこバッシングの記憶はもちろん、東日本大震災直後のバッシングの記憶も鮮明なので、今年のこのような状況には隔世の感すらある。もともと2011年の震災直後にあのようなバッシングがあったことが大きな潮目の変化だったので3年前のコロナ禍突入時のバッシングは「相変わらず酷いな」くらいなものだったのだが、それらが今年は目立たなくなっているように感じている。
共通しているのは業界としての連携が強化されているということと、社会に向けての発信が増えているということ、そして言うべきことを言うということとその言うべきことがある程度科学的根拠があったりファクトデータに基づいていたりしていること、が増えたからではないか、という点。これらが奏功しているのが今なのではないだろうか。
震災直後は故石原都知事(当時)の自販機とぱちんこ屋がなければ原発は要らないという発言。当時はホール4団体における輪番休業などの施策が社会的に高く評価されるということはあまりなく、警察官僚に高く評価されたに過ぎなかった。が、コロナ禍における休業要請に応じた割合、特にゴールデンウィーク期間中の休業率は震災の年の輪番休業に匹敵するほどものすごく高く、そのことはその当時、野党議員が国会の委員会質疑で好意的に指摘していたことから震災直後よりも社会の目はマシになったということが現象からは言える。
また3年前は東京都医師会による「ぱちんこからクラスタ発生」という偽情報が発信され、都遊協は即訂正を求め、東京都医師会は即日訂正のプレスリリースを発信した。医師会のような高学歴の者が集まる組織ほど、ちゃんとした抗議には抗えないのだ。また同じ時期にはTBSも抗議対象になっている。この年には全国の青年部会による実証実験動画が公開されぱちんこ店がクラスタになり得ない構造的な説明も周知された。昨年は大阪市長や維新も抗議の対象になった。今年に入ってからは、都留文科大学早野教授のアドバイスもあって、特に全日遊連を中心とした各ホール団体はエビデンスに基づいた発信を増やす努力を展開している。大遊協の新聞広告はその好例だし、全日遊連阿部理事長がギャンブル等依存症対策推進関係者会議の委員として政府の対策本部に4つの資料を提出し、それが首相官邸HPに掲載されているという点も見逃せない。今年に入っても前時代的なプレジデントオンラインの記事に対してホール4団体を中心に21世紀会として要請文を出している。