【特別寄稿】パチンコ産業の歴史⑬ 社会的不適合機の撤去(WEB版)/鈴木政博

2. 社会的不適合機の撤去
1995年、年末。日遊協内に「遊技機のあり方に関する検討委員会」が設置される。全日遊連、日工組、日電協、日遊協で構成される「遊技業2001年会」から8委員が選出され、適度な射幸性について検討が行われた。その結果として「社会的不適合機」の選定と、これらの自主撤去が決定された。詳細は別表をご覧いただきたいが、後に追加された分も合わせて最終的には全108機種、全国の設置総台数は約70万台と、極めて大規模な自主撤去となった。

1996年9月12日決定、同10月1日に発表されたのは「第一次社会的不適合機」を1997年1月末までに撤去、「第二次社会的不適合機」を同5月末までに撤去、「第三次社会的不適合機」を同9月末までに撤去する、というものだ。さらに1997年9月の理事会で決定した「第四次社会的不適合機」も同10月1日に発表され、翌年1月末までの撤去を決定している。

これは検定取り消しではなく、あくまで「自主撤去」のため、完全に全国のホールが全てを遵守して撤去したわけではなかった。しかし、ほとんどのホールがこの決定に従い撤去を進めていく。代替機は「CR・黄門ちゃま2」「CRバトルヒーローV」などを代表とする「CR・2回ループ機」であった。この「社会的不適合機」の撤去により、CRの導入は一気に急加速した。ただし、当時から既に「CRの2回ループ機の方が、撤去した社会的不適合機より射幸性が高い」という矛盾点は問題視され始めていた。

■参考資料 第一次社会的不適合機~第四次社会的不適合機リスト~

第一次社会的不適合機

第二次社会的不適合機

第三次社会的不適合機

第四次社会的不適合機

(以下、次号)

■プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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