【コラム】マカオのカジノで台数上限制導入 テーブル6千台、マシン1.2万台まで(WEB版)/勝部悠人

世界最大のカジノ都市として知られるマカオ。現在、政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6つのライセンス事業者が大小合わせて約40のカジノ施設を運営している。現行コンセッションは今年(2022年)12月末に満期を迎える予定で、今まさに次期コンセッションの入札プロセスの真っ只中にある。入札締切は9月14日となっており、本号が出る頃には入札参加社の顔ぶれも明らかになっているだろう。

マカオ政府は、次期コンセッションの再入札を視野に入れ、現行コンセッション開始時にあたる約20年前に制定されたカジノ法について、マカオのカジノ市場を取り巻く環境の変化及び将来を見据えた政府方針に対応する内容への改正を行った。

改正カジノ法の概要は本稿でも度々取り上げてきたが、数ある注目点のうちの1つがゲーミングテーブル及びマシン台数に上限を設けるキャップ制の導入だ。同時に、「1台あたりの売上下限額」も設定されることに。数値については首長の行政長官が定めると規定しているが、一体どのくらいの規模になるのか、業界で大きな話題となっていた。8月26日付のマカオ特別行政区公報に、本規定に関する行政長官令が掲載され、ついに具体的な内容が明らかとなった。

まず、上限に関しては、全コンセッション事業者(次期コンセッションでは最大6としており、現行と同数)が経営できるゲーミングテーブルの総数は6000台、ゲーミングマシン(スロットマシン等)は1万2000台と定められた。

そして、ゲーミングテーブル1台あたりの年間売上(粗収益)下限額は700万パタカ(約1.2億円)、ゲーミングマシンについては同30万パタカ(約510万円)に設定。下限額はノルマに当たり、仮に下回った場合には、政府に対して規定の計算方式に基づく特別プレミアム(差額)の支払いが必要となる。

なお、台数上限と売上下限額のいずれも、次期コンセッションの開始日にあたる来年1月1日から適用される。

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