【コラム】変わる業界の未来と、変わろうとしないパチンコ店の現実(WEB版)/チャーリー・ロドリゲス・湯谷

1. 「スマパチ・スマスロ」時代へ…もう、業界の時計は動いている!
この2022年、年初よりコロナ禍からの脱却・景気浮揚を期待したものの、ウクライナ戦争勃発を契機とした資源不足・円安先行・物価高による不況、また賃金低迷による節約志向の消費不振が社会にまん延し、この夏のタイミングでコロナ「第7波」の感染爆発も社会に大きく影を落としています。激しい経営環境の変化・予測不能な出来事には抗う事は出来ませんが、パチンコ産業は「余暇産業」であり、別な表現をすれば「社会に余裕がある時、最後に潤う産業」であるとも言えるので、この状況は極めて苦しいですが「踏ん張りどころ」ではないでしょうか。

そんな苦境の中で、一筋の光となるか?と期待されている「スマパチ・スマスロ事業」、いわゆる「管理遊技機」の登場です。年内より始動する事が既に発表されており、意見は色々とあるようですが、概ね「将来の新しいパチンコ産業時代」に突入するキッカケとして期待されています。もちろん、まだ数多くの問題点や不明な点も多いですが、今後は話題の中心が全て「スマパチ・スマスロ」となり、どんどん進化・変化していくことでしょう。もう「業界新時代」の時計の針は動き出しています。

2. 今後、業界で「優位なポジション」を取る為に
この「スマパチ・スマスロ」普及の最大の問題点は、過去に例がない程市場縮小している、このタイミングでの「巨額投資案件」である、と言う点です。もはや、パチンコ産業のみならず、世界中で設備投資を慎重・自粛・縮小している状態の中で、約7,000店舗前後のパチンコ店がこの「巨額投資案件」を即断出来るか?がポイントであり、その効果性の是非よりも「投資したいと思うマインド低迷」の方が問題です。

また、ユニットなどの設備投資金額・管理遊技機のコスト等、具体的なものが出ていないので、将来の見通しや事業性評価を行うのは現段階では困難です。しかし、このタイミングで「決断」となると見込み発車という事になりますし、ある程度「リスク込」で投資しなければならず、資金的に余裕のある法人・店舗でないと難しい事でしょう。

さらに、部材不足により、初期段階から「公平に」ホールに販売する事は既に困難であるようなので、この点も投資判断としては重要で、どこまで差異化・差別化となり集客力格差はより一層広がる、と判断するか?ここも難しい点だと思います。

取材をする限り、過去の「CR導入時」の経験から状況予測する店舗が多いという感覚ですが、一番は「管理遊技機が、どれだけユーザーに受け入れられ、市場が成長するか?」と言う点の判断・予測であります。前述した通り、パチンコ産業は余暇産業、つまり社会全体がある程度「生活不安なく余裕を持って過ごせる」というのが大前提。最後に潤う業種でもあるので、投資計画も長期的視点に立つため、どうしても慎重になります。

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