1. 格差の広がりは止められない
コロナを経験してから社会は大きく変化しました。世界では繁栄する産業と衰退する産業が明確になり、消滅する産業や高収益事業の二ッチな産業も登場しています。パチンコ業は残念ながら「衰退する産業」のカテゴリに属していて、特に2022年2月より「旧基準機・5号機から、新基準機・6号機」への全面移行によって、市場規模は大きく縮小、特に「スロットの売上減」はホール収益を大きく落とした要因です。
また、月1度程度遊ぶ「ライトユーザー」の離反により、パチンコ店は数少ない「ギャンブルを好む、ヘビーユーザーの奪い合い」になっており、さらなる新台入替・薄利営業が激化しています。情報感度の高いヘビーユーザーは、そうしたお店の動きを読んで、上手に立ち回っていて、その他のユーザーは既に「低貸への転向」や「離反」という形で動いています。以前より、遊技機性能の下落と同時に「客数減少」が最大の問題であると述べてきましたが、ここまで露骨に店舗の「稼働格差」が、しかもあっという間についたことは、驚きと同時に危機感しかありません。
この「先行き不透明」の中、大手ホールに負けないだけの「新台入替」「薄利営業の実現」が可能か?疑問ですし、多くのホールは大幅な店舗コンセプトの変更が不可避と推測できます。いち早く経営判断すべき時でしょう。
2. 過度な期待は禁物、6.5号機&スマスロ
前回も6.5号機やスマスロの解説をしましたが、日に日にその期待感は高まり、個人的にも今後のスロット市場拡大の起爆剤になればという思いはあります。しかしながら、ユーザー目線で言えば「5号機との比較」となり射幸の物足りなさは仕方ありませんし、ゲーム性等の幅は広がりより楽しめると確信するも「自分のお金で、どれだけ遊んでくれるか?」という点はビジネスとして成立するか?疑問です。
遊技機は「1台=50万以上」かかり、将来、値段が安くなる気配はありません。投資回収においてもかなり効率は悪く、スマパチ・スマスロの初期投資費用も巨額です。数年後は投資が軽減され遊技機の性能がより改善する・緩和されるという憶測もありますが、事実、確約された事ではないので過度な期待は禁物です。
ここはもう一度、冷静に、現段階で把握している遊技機性能から今後の「事業収支」を立案し、楽観的・悲観的予測の3パターンを用意して、投資計画を再構築すべきです。
特に、スロット参加率の高いヘビーユーザーは「損する事が嫌いで、より合理的」な若年層がメイン。どこまで、スロット6.5号機&スマスロが「得で、期待感が高い」と感じてもらい、消費行動として来店頻度が再度上がるか?が事業の成否を決定するところなので、動向に注視すべき部分です。現在、スロットは先行投資で事業として成立しているホールは少なく、その不足した収益をパチンコや別事業で補っているのが現状。ついスロットへの期待が大きくなる心理はわからないでもないですが、ここは現場と協議の上、複数のプランと実行ストーリーを準備してもらいたいものです。