【コラム】2022年は「パチンコ新時代経営」元年になる?(WEB版)/チャーリー・ロドリゲス・湯谷

1. 景況感の回復には時間が掛かる?
2022年、ようやく「コロナ禍」も出口が見えてきた感もありますが、再び変異株の「オミクロン株」が発生し、世界を混乱させております。前回も世界的に物価高の流れになっている、と述べましたが、日本は「(物価高なのに)景気低迷で、賃金が一向に増えない」事から、消費マインドを一層落としており、いわゆる「スタグフレーション(景気が後退する中のインフレ)」の状況に向かっております。当然企業の利益が回復に向かうには時間が掛かりますし、国の政策が急務です。またパチンコ業界も無関係ではなく、企業収益に与える影響は非常に大きい。今後数年は「我慢」の時期が続くのは容易に予想出来ますし、改めて業界再編は進んでいくものと考えます。

2. 寡占化がさらに進むパチンコ業界
ようやく本年1月末「旧基準機撤去期限」を節目に2月より新たな競争が始まる、そんな時期ではありますが、パチンコ店は「スマートパチンコ・スロットの動向と新たな投資リスク発生」、特にスロットの「収益性低下」による事業環境の変化は今年の大きな問題です。既に可能な限り、お店が運営出来るだけの固定費削減や、経費削減はギリギリまで対策を打っている事でしょうし、今後経営環境が好転しなければ、さらに厳しい運営を強いられる事でしょう。

何より「遊技機性能=射幸アップ」という以外に、業績回復のキッカケが見えないのは苦しい。お店は具体的に「入替」と「出玉」以外の有効策が見えていないので、大手法人は、この部分を逆手に取ってこのタイミングをチャンスと捉え、資金をつぎこみ活発に「入替」と「出玉」を大きく打ってくると想像します。その狙いは競合店の顧客を根こそぎ奪取し、今後は追い付けないだけの「商圏内シェアを確保する」事を目的としてくると思います。業界の市場が「急速に縮小」していますから、当然の強者の戦略であります。

一方、中小ホールはより商圏を小さくし、少子高齢化に合わせて安く長く遊べる「低貸化・ゲームセンター化」がさらに進む事でしょう。もちろん、従来のような入替も出玉戦略も打てませんし、よりスモールビジネス化します。しかし、残念ですがこの「低貸化・ゲームセンター化」以外、採用できる作戦は残されていないのかも知れません。今後「いいところ取り」で「場当たり的な策」では中途半端でユーザーの支持が得られないと思いますし、何よりユーザーが「パチンコ店を見限り俯瞰して見る」傾向はより強くなる事でしょう。本当に中途半端な価値提供ではお客様は振り向いてくれない、そんな時代になっていくのだろうと考えます。

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