【寄稿】今年もコロナ禍スタートだが(WEB版)/POKKA吉田

演出面は正直言うとシンプルモードが耐えられない。私はモードを切り替えることができるエヴァシリーズはすべてシンプルモードで打つのだが、今作は無理と感じるほどに単調というか映像も寂しい。通常のモードでは演出はたくさん出てくるが、期待感の強い演出の出現率は相変わらず低い。当たるまでは何も起こらないというようなイメージで理解している。

このような演出フローが受け入れられているのだろうか。一応はミッションモードだったり過去の演出フローを踏襲している部分もある。しかしエヴァの世界観はかなり薄まった。以前のエヴァシリーズは極端に言えば説教的にエヴァの世界観を押し付けてくるようなものが多く、それがエヴァ好きに強く支持されているものだとずっと思っていた。私の場合はエヴァシリーズのぱちんこ(たまにパチスロ)「だけ」が好きなのであってテレビアニメ・映画には全く関心がなく一度も観たことがないしこれからも観ないのでそこは実はどちらでもいいのだが、エヴァシリーズ好きは「エヴァばかり打つ」ことが私のように多いので、そういうところが支持されているのだと思っていたわけだ。でも今作を考えるとそうでもないような気もする。

「楽さ」という点、「世界観がライト」という点、「当たるまでは暇だが当たってから勝負」という点、それらもろもろのバランスの上で機種の評価は決まるとは思っているが、どこがポイントになったのか。仮に「楽さ」がとても奏功したということであれば、今夏登場予定のスマート遊技機はそれだけでも凄いアドバンテージを持って登場することになる。

ひとまず年末年始、市場は結論を出した。これは動かない事実である。この理由の分析は、ぱちんこメーカーにとっては大ヒット機開発企画のための手段、ホールにとっては今後の機種選定の判断基準に直結する。誰もが「市場No.1」となることを予想しなかったエヴァが大成功している事実は重い。先日、知り合いの業者がエヴァを中古で仕入れたときには既に100万円を大きく超えていたという。当たり前だが需要もとても強い。

本紙が発行される頃には慶次や牙狼も登場していることだろう。4月には韋駄天BLACKもある。昨年の覇者ユニコーン、牙狼どうしの市場争いも含めてMLTS319付近の最も出玉性能が高いタイプの覇権は最終的にどこに落ち着くだろうか。またその機種の大成功の理由はどこにあるのだろうか。

そういうことを考えるとコロナ禍のことなど頭の中から消えていく。そういう一年に今年はしていきたいと思います。

■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。

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