今回の結果、政治力の活用は従来通りの環境は維持できている。もちろんそもそも最重要なことは業界側と警察庁との協議の行方であるから、「いつも通りの継続的な努力」を諸問題の解決のためにやっていくことが大切ということになる。選挙結果は業界にとってはありがたいことにそれをやっていくことができるよ、という評価だろうか。マスコミの多くが予想した結果だった場合は与党の影響力が低下していたことだろうから、それよりは全然良いということである。
むしろ岸田政権に業界視点で期待したいことは、コロナ対策の次の段階である。安倍政権、菅政権下でのコロナ対策は政府が営業を控えるように要請する業種をあらかじめ策定し、そのガイドラインに基づいて各自治体が決めていた。このガイドラインに根拠もなくぱちんこ営業が盛り込まれ続けていたことで、一年半ほど悶着が続いていたわけだ。昨年の春は経過措置と公的融資のために休業を業界全体としては肯定し、それ以降はクラスター無発生とガイドラインの無根拠を理由に、時短要請等を事実上無視するということを業界全体としては選択したわけである。日本がどのようなワクチンパスポート化を選択していくか、やはり方針を示すのは岸田政権であり、コロナ禍で大打撃を受けている各産業をどうやって回復させていくか、という経済政策も注目しておきたい。日本全体が経済的に元気にならないとぱちんこ業界も良くならないのは間違いないと思うからだ。
いまはまだ公明党と18歳で線引きした支給をめぐる自公合意が政治のトップニュースである。特別国会のあと、12月に開く予定の臨時国会にて補正予算審議に入る予定だ。この補正予算案には台湾のTSMC(世界最大手)がソニーと組んで熊本は菊陽に新工場を建設する補助金(4,000億円規模)が含まれる見込みである。こういった岸田政権の「初仕事」の内容が、日本経済の回復やぱちんこ業界の動向をプラスに動かすような内容になっているか、そういうところに私は注目している。そもそも、いくら政治力とはいえ、総理や大臣がぱちんこ業界を直接触るということは今までもあまりなかったわけだ。自動車産業や農業などとは違うのだから、議連の議員らを中心に、今後も政治力は活用しつつ、我々ぱちんこ業界関係者は岸田政権によって日本経済が良くなっていくかどうかを注目するのが自然の流れだと思っている。
総選挙はそのような結果に終わったというのが私の寸評だ。
■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。