逆に一般客からすれば、あいつの考えはズレている、現実離れしている、となるでしょう。実際その通りですから異論を挟むつもりはありませんが、僕は業界に対するリスペクトも大きいわけで、不満をすべてホールや台に押し付けるクソわがままな遊技客にも我慢ができない。そのホールに行ったのも、台を選んだのも、打ち続けたのも、あなた自身じゃありませんかって話で、パチンコ・パチスロは疑いなく自己責任の遊びですから、回らなきゃヤメればいいし、つまんなかったら打たなきゃいい、それだけのこと。なのに、どういうつもりか知らんが、責任転嫁のひどい悪口を撒き散らす輩が多すぎて気分が悪くなる。自分はバカですよと吹聴してるようなもんで、恥ずかしくないのかなぁと思ってしまいます。
歳をとると人間の性格は二つのタイプに分かれます。意固地になって自分と異なる価値観を認めない老害タイプ。もうひとつは逆に、執着から解脱して何でも受け入れる好々爺タイプ。僕はまごうことなき後者でありまして、すなわち問題意識を持ってガーガー言い続けてきたあれこれが、些事としか思えなくなってきたんですね。そんなのどうでもいいじゃん!不満はゼロじゃないけれど、万事思う通りに運ばないのが世の中であるし、これ以上を望むのはおこがましいよね。今やそんな気持ちでハンドルを握っています。
自分もヤキが回ったなぁ、歳をとったなぁ。そんな寂しさもありますが、でもやっぱり、打つ側は餌の立場から抜けられない厳然たる現実があります。目指すところは1パチにニコニコ興じるお年寄りです。打ってれば何でも楽しい、勝ってるか負けてるかようわからん、そんな仙人の域に到達したい。客がみんなそうなれば、業界はたぶん平和になる。戦いの場でなくなれば、もちろん今より間違いなくスケールダウンしますが、パチンコが必要以上に嫌われることもないでしょう。それでいいのかって?いいと思います。誰もが楽しく集える遊技場に回帰することの何が悪いのだと本気で思っています。
その代わりにですが、御しやすい客だと舐めるのだけはやめていただきたい。やるべきはちゃんとやって、感謝の念を忘れず食っていただきたい。餌から申し上げたいことは以上です。
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。オンラインサロン『パチンコ未来ラボ』主宰。