【寄稿】3月から4月にかけて(WEB版)/POKKA吉田

21世紀会決議については、先ほど少し触れたが「業界外から見ると守らない店が多く守らない店が抵抗している状態」と映っている可能性が高い。しかし実態は3月を境に全国的には遵守率が沖ドキも含めて改善しており、残る大きな課題は愛知と岐阜、というのが現状だ。また、21世紀会決議は今年11月まで続くわけだが、1月11日が期限だった沖ドキだけにとらわれていい話でもない。今後は11月の期限まで今、遵守率が高い水準でキープされているトレンドを続けることができるかどうか、が最重要であり、その辺の発信も私も個人的に気をつけたいと思う。要は栃木と茨城の件は業界外にも広く知られることになったが「ぱちんこ業界がその問題で行き詰っているという印象を持たれないように、正しい現状の決議遵守率等を発信していく」という点を気をつけようということだ。

不安になるとすれば「たとえば北斗無双の期限のときに、また沖ドキのようなことが起こるかどうか」ということかもしれない。私はこれについては比較的楽観視している。というのも、たとえば「凱旋を外さず、沖ドキも外さず、それ以外のジャグ系なども外さず、北斗無双も外さないという店はある」とは思うのだが「凱旋を外して沖ドキも外してジャグ系なども外して、しかし北斗無双だけは15%も守らず11月の期限でも外さない」という店がどれくらいあるのか、という話だからだ。パチスロを設置していないぱちんこだけの店ならまだしも、PS併設という一般的な店で今の決議遵守をして、11月には決議違反に転じるという可能性は低いというのが私の見方。なので「今後の、特に11月の期限を迎えるときの遵守率については、今の遵守率推移よりも悪化しにくい」と考えているのだが、現状の遵守率に改善傾向が出てきたのが3月のことであり、これを維持することができれば11月の期限も不安はあまり感じなくていい、という論法である。もちろんそのためにも愛知と岐阜の沖ドキの未撤去店の数と台数の多さをどうするか、という点は重要な課題となる。引き続きホール4団体や業界6団体、全機連各団体による努力が続いていくことになるだろう。

さて、本稿を書いている少し前から6号機の有利区間のゲーム数上限が1,500Gから3,000Gに引き上げられたという話が業界内で急速に拡散している。これは事実であり、今までの6号機における自主規制緩和と比較してもかなり開発企画における性能ポテンシャルが引き上がることが期待される。まあ、これについては日電協(あるいは連絡会)が、業界紙向けにプレスリリースをすることを計画しているので、オフィシャルリリース後に必要があれば触れるとして、これについては一点だけ言っておこう。

それは「業界各団体やいろんな人たちがかなり努力して沖ドキ未撤去店に対して決議遵守に転じるようにいろいろ説得工作等を繰り返してきたことが、とりあえず一定の担保になっていたと思われる」ということだ。

決議遵守率が高くても規制緩和は確約されるものではない。しかし決議遵守率が目に見えて低かった場合、それは今年の緊急事態宣言中やまん延防止等重点措置中の自治体からの時短営業要請に応じた率くらいに低かった場合、については規制緩和は不可となってしまう公算が高い、ということである。

もともとの期限を、たとえ7か月が目安期限であり15%ルールがあるにせよ、引き延ばせたこの21世紀会決議を遵守することはこのように重要だ、という認識を再度確認させられるケースとして3,000Gもその一つ、ということだろう。今後の規制緩和も期待されるが、まずは本稿ではこのように言って了としたい。

■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。

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