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『遊技日本』

【寄稿】黒川麻雀騒動/POKKA吉田

投稿日:2020年7月29日 更新日:

Mリーグは先日、セガサミーフェニックスが惜しくも二位に終わってしまったが、Mリーグを応援する人たちにとっては、かなり迷惑な話だったかもしれない。私は雀荘業界の知人はいるもののあまり詳しくはないのでよくわからないが、必死にノーレート麻雀を普及させようという雀荘が黒川氏の件でそれを諦めて普通に客が賭け麻雀をやる店に戻ってしまうということも危惧してしまう。一方で、金銭の多寡において基準を明確にして賭博の罪の適用を、という意見は法曹界からも出ているそうであり、そうなってくると刑法が定める賭博の罪がより鮮明になっていく。

賭博の摘発というのは、実態はいろんな変な話をしばしば聞いている。あるゴルフコンペでの金銭のやり取りが一般常識では高額(数百万から千万単位)だという話があったが「俺にとっては一時の娯楽の金額だ」と逃げ切れた、という真偽不明のウワサもあったし(だから名前は出しません)、昔、本当かどうかは確認していないが、故後藤田正晴氏が国会で「3万円くらい(までなら良い)」と言ったという話も聞いたことがある。

戦後、日本では麻雀は大人の遊びとして大人気だった。麻雀新撰組という名前を聞いたことがあるだろうか。遊技機にもなった哲也のモデル、阿佐田哲也こと故色川武大氏、雀鬼会の桜井章一氏など、有名人もかなり多い。現在も芸能人にも麻雀は人気であり、私も一度だけお会いしたことがある萩原聖人氏は有名な俳優だが電通のMリーグチーム雷電の所属のMリーガーでもある。

遊技は換金行為がそれでもセットであるが、閣議決定で一応は法的地位がそれ以前よりもはっきり確立されている(完璧に確立されているわけではない)。しかし、麻雀の賭けはそうではない。黒川基準は世間が呼んでいる基準であって、法務省の基準ではないし判例上の基準でもない。健康・ノーレート麻雀を目指す動きは政治の世界にもあって自民党は有志議員らで麻雀議連を作っている。麻雀は業界団体が陳情する形で今年の4月からセーフティネット保証5号の対象業種にぱちんこ店よりもはやく指定されている。

コロナ感染拡大で休業が多かったのは雀荘も同じ(ぱちんこ店ほどの休業率だったかどうかは不明)。もっと言えばそもそも風営法上で同じ「四号営業」に規定されているのは「ぱちんこ屋」と「まあじやん屋」であり、業種は違うとはいえ、隣接というよりは「同じ号の風俗営業」である。黒川氏の騒動は、麻雀業界に激震を与えたに違いないし、それを世間の一部の人は「面白がっていた」わけだ。

賭博の罪についての細かい基準がたとえば金額の多寡等で示される可能性は低いとは思うが、今後でてくるかもしれないと感じさせるくらいの出来事であったことは間違いないだろう。

■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。

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