【コラム】90年代のパチンコ屋を回想してみる(3)/CRAナカムラ

●CRAナカムラのぱちんこ泰然自若135
はい皆様ご機嫌麗しゅう!今回で1シリーズ3週目という事で、もう前置きは一切カットしてイキますよー!付いて来ないと置いてくYO~!

パンチパーマの店員がタバコを吸いながら闊歩し、お客さんの子供が走り回りるホールが当たり前だった時代。法的な知識も皆無なナカムラ少年(18)は、なんの疑問もなく…

(゚Д゚)パチンコ屋ってそんなもんですよ。

と思っていたワケだが、この時代を知らない皆さんが想像してる以上に、急激かつ大きな変化が訪れるのだった。当時はネットも無く、情報網は人の噂とテレビと雑誌。最初の情報は業界誌というやつで「大阪に高級ホテルのようなパチンコ店誕生」の見出しに目を奪われた。そのお店とは、今でもその分野では業界の先駆者と謳われるイルサローネだった。

興味本位ですぐにパチンコ仲間と突撃して、

(゚Д゚)おー!なんや!従業員が会釈してくるでぇー!

と驚愕。当たり前だが、従業員はキレイな格好で体にお絵かきしてるような感じは皆無!そしてなんとホールでタバコを吸ってない!なんて斬新かつ画期的なパチンコ屋!ある意味「これが未来のパチンコ屋」みたいなテーマパークのノリで堪能したが、まだまだ地元の「玉?自分で運べや」が本来の姿であるという概念は崩れていなかった。

そんな折、バイトしてる店の終礼で珍しく部長(お爺ちゃん)が登場して、

(部‘ω’)「えー今後は、先の時代を見据えて『あの新しい店』を見習っていきます」

そういう店があるという情報はみんな知っていたので、ざわ…ざわ…としだす店長以下従業員一同。だいたいさ、このメンツでああいうのを見習ったところで、客への会釈なんて「親分の帰宅を出迎えるその筋の人」にしか見えないワケですよ。想像して吹き出しそうになって必死に堪えるナカムラ少年。しかしここで店長(通称アフロの狂犬)が口を開く!

(長-_-)「ほぉー部長…俺らにアレをやれと言うんでっか?そしたらとりあえず、もう拾い玉集めるのヤメさせてもらいまっさー。クリィィンにせなあきまへんからなぁー。」

(部‘ω’)………。

ここで説明すると、ホールでお客さんや従業員がポロポロこぼす玉って、1日通して拾い集めるとだいたい当時の4000個箱一杯以上になるのだ。この店ではそれを集めておいて、部長が来たら堂々とジェットに流して景品交換するのがお決まりだったのだ。

黙る部長をよそに、さらにアフロの狂犬が

(長-_-)「まぁーワシらも部長を立てまっせ?とりあえず今は、ホールの従業員用灰皿撤去で納得してくれまへんかぁ?」

言葉はまだ丁寧な部類だが、この鋭い目つきと溢れ出るドドメ色オーラ!

(部‘ω’)「うぅ…うん!それでいこう!」

としか言えないwwそりゃそうだww自分の特別収入を盾にされ、尚且つ狂犬をこれ以上刺激したらヤヴァイ!

終礼後、すぐさま撤去されるカウンター横の従業員用のスタンド灰皿と、それを満足そうに見守る部長。しかしナカムラ少年は分かっていた!

(゚Д゚)その灰皿なんて、元々誰も使ってないwwみんな床でタバコ消しとるww

というワケで、形ばかりの灰皿撤去だけ行って「近代化」の第一歩を踏み出したこのお店であった。

ちなみに部長の特別収入は継続だが「ちょっと教育せなアカン」という従業員の総意で、半分近くはシマの中へ放り込むという新しいルールができた。そしてホール内喫煙は何ら変わらず、部長が見てる前でも堂々と継続したのは言うまでもなかろう。

そこからさらに時は…あれ?灰皿撤去だけで文字数が……

(゚Д゚)ごめん!もう1週だけこれでやらせて!

つづく。

■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。

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