【コラム】剛腕遠隔マダム～後編～／CRAナカムラのぱちんこ閑話休題⑱

■熱血学園ドラマ
割れたガラスをガムテープで補修して、その日もバタバタと1日の営業が終わりかけ、閉店1時間ほど前の店内。「明日の設定どうすっかなー」と事務所で頭を悩ましていると、スタッフから「女将と彼氏が来て店長呼んでます！」との報告があり、まさか本当に専門家集めて来たか！？

めんどくせー！と思いながらまだ常連達がチラホラ残るホールに出ると、神妙な態度のお二人さんがボクを見た瞬間に90度の礼でお出迎えしていた。その場で割ったガラス代プラスアルファの現金を渡されて、女将曰く「とにかく私が悪かった、他の常連とも仲良くなってココに通えなくなるのは本当に辛い、出禁は勘弁して欲しい」と半泣きで謝ってくるではあーりませんかっ！

しかしながらやった事はけっこう重大だし、他の常連達の手前もあるしどうしようかと悩んでいる最中に、まだ残っていた常連が聞き耳を立てていたらしく「許したってぇや店長！」「オレからも頼むわ！」と駆け寄ってくる。何このやっすい熱血学園ドラマみたいな展開ｗｗ女将は涙流しだすしスクールウォーズかｗｗ　その場に流された感アリアリだが、そこでボクが出した結論は【出禁1週間】と【ガラス代の残った分は返す】、そして【阪神の入団テストを受ける】だった。

最後の条件は明らかに冗談ではあるが女将＆彼氏歓喜！他の常連も歓喜！その後はキッチリ1週間出禁を守る二人だった…はずなのだが本気で勘違いして1日早くフライング入店してきたのは女将が被ってきた阪神の帽子に免じて許可したさ。パチンコ屋が地域の社交場として機能してた時代、こんな事も日常茶飯事で面白かったんだよ。

過去のコラムはこちら

■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。

※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。