昨年末、2012年の広告宣伝に関する警察庁の通達の上書き版とでも言うべきか、新しい通達が公表されなかったことから広告宣伝の環境改善は越年することとなった。が、1月に早速警察庁は具体的に動いたことから、広告宣伝について業界関係者の関心がとても強まっている。
時系列で簡単に振り返る。
1月20日 全日遊連理事会で松下課長が講話、広告宣伝の地域格差解消の発言
1月25日 昨年12月23日付の広告宣伝の通達が公表される
1月25日 警察庁保安課坂ノ上課長補佐がホール4団体(WT)に通達の趣旨説明
1月25日以降 ホール4団体がそれぞれ組合員、会員に向けて通達を含めた今後の広告宣伝についての枠組みの周知徹底をはかる
2月9日 ホール4団体による広告宣伝ガイドライン(第1版)が制定される
このような流れとなったことから、業界内では広告宣伝についての話題が多くなった1月末、2月頭である。
今回の枠組みは、警察庁の広告宣伝規制所管としては、過去例のないかなり踏み込んだ方針を示しており、2011年(及び2012年)以来となる広告宣伝規制所管の大きな変化である。今回の警察庁の動きについて、私はとても高く評価するところだ。
基本的に2011年12年通達時、広告宣伝規制は厳格化所管となっていくはずだった。ちょうど東日本大震災直後のぱちんこバッシング台頭のきっかけの一つに「マグニチュード6」とか「ビッグウェーブ」などのホールの空打ち(チラシ等)の文言が頻出していたこともあったと思う。もちろんこういった空打ち文言に震災被災者を揶揄する意図などは微塵もないのだが、世間様はそうは考えない。原発文脈と合わさって石原都知事(当時)までぱちんこに言及する始末であった。また、このときまで全国的にホールの広告宣伝は無法地帯状態となっていたことも事実である。全国どのような地域であっても、毎日のように謎のイベントが開催されており、店入口のイーゼル、店内の内装の至るところ、あるいはトイレや休憩所など、遊技している客すら何のイベントかわからない状態であった。もっともこれは店スタッフも同じである。イベントを開催しているのではなくて「イベントを開催しているという告知をしている」に過ぎなかった。だからこの当時は「ガセイベント」なる言葉が遊技客の間で浸透していった。