日工組など業界6団体(日工組、全商協、日遊協、同友会、余暇進、PCSA)が共同で去る12月25日、都内中央区の日工組本部で記者会見を開催。「ぱちんこ遊技機の撤去回収等に関する声明」を発表した。
声明の中で業界6団体は、釘問題を契機に高射幸性遊技機の撤去を強力に推進することを確認。さらに業界の健全化を図るため、下記6事項で合意した。
- 遊技客が手軽に安く安心して楽しめる多種多様な低射幸性遊技機を開発・設置する
- 遊技機の出荷、設置及び使用の各段階におけるその検定型式を担保するため、新たに「製造業者遊技機流通健全化要綱」及び「遊技機製造業者の業務委託に関する規定」を設ける(施行期日 平成28年4月1日予定)
- 日工組からホール関係団体に通知される入替が必要な型式の遊技機については、可及的速やかにこれを撤去回収する
- 「高射幸性遊技機の取り扱いについての合意書(平成27年9月30日)を強力に推進する」
- 依存(のめり込み)問題の啓蒙・啓発活動に取り組み、行き過ぎた遊技を未然に防止するため、業界全体で策定した「依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」の普及に努める
- メーカー、販社及びホール関係者に対し、風営法等関係法令に関する教育を徹底し、コンプライアンス意識の向上を図る
今後、日工組がホール団体に通知する遊技機の撤去回収リストは、1月以降、段階的に発表される予定。この点について、日工組の金沢全求理事長は「現在、組合員メーカーに調査中。リストは段階を経て出す予定で、まずは1月にリストを出す予定」とした。
また、撤去回収台数の規模は「おそらく数十万台規模となる。全てを一気に出すのではなく、分かったものから出していく」(金沢理事長)とし、対象機種は「検定機と市場に納品した機械で性能の乖離幅が大きいのは射幸性の高い機械に多い。(対象機種は)マックス機が全てではないが、かなりの割合を占める」(同)との認識を示した。
なお、今回の声明に全日遊連が加わっていない点について、日遊協の庄司孝輝会長は「全日遊連としては理事会での承認が必要とのこと。1月末の(全日遊連)理事会で決議することを期待している」と述べた。
一方、遊技機の撤去回収を行うにあたり不可欠となる、検定を受けた型式と同一性能の適正な遊技機は、日工組として来年1月より随時販売していく方針。遅くとも来年4月には日工組加盟の全メーカーが適正な遊技機を揃って販売することとし、今後、当該遊技機の型式名や時期を明確にしていく。
合わせて日工組では今後、検定型式と同一の遊技機性能をホール納品時以降も担保するため、新たな施策を実施予定。これは新台設置時及び遊技機の部品交換時において、メーカー及びメーカー委託の販売業者関係者が立ち会い遊技機の状態を確認することで、遊技機の流通過程での安全を確保するとともに、製造業者としての責任を果たすという内容。新たな規定を設けた「製造業者遊技機流通健全化要綱」及び「遊技機製造業者の業務委託に関する規定」は来年4月1日施行予定だ。
写真説明 前列左より日工組・筒井公久副理事長、全商協・中村昌勇会長、日工組・金沢全求理事長、日遊協・庄司孝輝会長、同友会・東野昌一代表理事、余暇進・千原行喜副会長、PCSA・金本朝樹代表理事