【コラム】6.5号機登場で、市場に変化は見られるか?(WEB版)/チャーリー・ロドリゲス・湯谷

1. 基本の徹底を
ジワジワと物価が上昇傾向にある中、極端な円安の進行もあって早くも将来不安を声高に叫ぶ人が増えて来たように思います。コロナ禍の長期化は変わらず、ウクライナでの戦争も終息が見えませんし、日本全体の「消費マインド悪化」は深刻と思われ、特に節約志向がより強まるこの時期、余暇産業であるパチンコ業は厳しい、と予想する人は多いです。合わせて「先行きが全く見えない・読めない」点も現状不安を増幅し、近未来へのチャレンジへの行動を委縮させているようにも見えます。

正直、近未来に、劇的に業況が好転するような材料は皆無なわけで、それは業界だけでなく日本全体でも同じ条件です。と、考えるならば、いかに「基本を大事に、顧客の支持を得ていくか?」という一点に尽きると思うわけです。急激に業績を上げることのできる「魔法の杖」はありませんが、一歩でも前に進む、その姿勢をお客様に見せていく事が、今のパチンコ店にとって重要な事ではないでしょうか。

2. 6月より、6.5号機が続々登場!しかし…
さて、スロット機ですが、ようやく各メーカーの新機種「6.5号機」が適合を受け、発売に向けて着実に準備を進めている模様です。この6月より順次市場に投入されるわけですが、市場の回復の一助になれば、と期待するところです。

しかし、楽観視出来ないのはその運用方法です。基本、6.5号機は「MYから差枚数」に変更となり、そのことにより「一撃上限2,400枚以上」獲得できる事になった為、ゲーム性が広がった点が特徴。決して射幸が上がったワケではなく、スペック性能が変化したわけではなく、この6.5号機でホールの業績が劇的に変わる事は予想出来ません。基本、業績アップには「客数増」「稼働増」であって「客単価アップ」ではありません。現在のパチンコ機のように、内規の変更で「どんどん客単価が上がる」形の機種が開発されることは、スロットに関してはありませんし、当然ホールはその点を認識した上での運用が必要になります。

また、もう一つ楽観視できない点が「スロットユーザーの行動特性」です。パチンコユーザーと決定的に異なるのは、極端なほど「猜疑心・警戒感が強く、損する事を絶対的に嫌う」人が多い。それは観察していても明らかで「損しない為」に、遊技に関する情報感度に敏感で、当然、6.5号機の性能についてもすぐに理解するでしょう。想像ですが、6.5号機が「ハマりから始まる」形のゲーム性であれば最初から打ちませんし、当然朝イチからの遊技は警戒する事でしょう。宵越しでの「ハマり台」を狙う立ち回りにもなるでしょうし、リセットを続ける店舗なら、その信頼も失うだけで稼働にも影響するでしょうから、対処について大変難しくなると思われます。

よって、しばらくは「6.5号機登場」と言っても、市場に大きな変化が起きるとは考えにくいですが、今後「スマスロの登場」を含め、多くのユーザーの支持を得る事を信じて止みません。

次のページへ >

-コラム
-, ,